今関絵美は武蔵野美術大学を卒業後、デザインの仕事に就きながら、昔から興味があった心理学の勉強を始めました。
そのとき心理学を学ぶということが「自分の性質や本心を知る」という絵画における探求心へとつながり、再び絵を始めるきっかけとなったのです。
穏やかな風景とそこに佇む人々。ノスタルジーとそれだけではない、想像を膨らませるような画面は、観る者を作品世界にぐっと引き込みます。
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今関絵美|Emi Imazeki |
どこか懐かしく、新しい風景
今関絵美が描く、穏やかな風景とそこに佇む人々。
何気ない風景が誰の胸の内にもある郷愁を呼び起こし、特別な風景に見えてきます。
ノスタルジーとそれだけではない、想像を膨らませるような画面は、観る者を作品世界にぐっと引き込みます。
軽やかなタッチが、どこか懐かしさと、現代の眼差しをも感じる時空を超えた心象風景を映し出します。
「double rainbow」60.6 x 50 cm, パネルに綿布、油彩
「They are secret friends.」 53 x 65.2 cm, パネルに綿布、油彩
移りゆく存在や生命の変化
作家は、不安定な時代のなかで自分にとってのリアリティを追い求め、
自身の直感や、体と心のバランスを大事に、しっくりくる感覚を掴みながら制作していきます。
「今日の次が明日かどうか」シリーズは、モチーフの2つの瞬間について描いた作品です。
作家が旅先や散歩中などでカメラのシャッターを2回押した時、偶然撮った瞬間を振り返ったことをきっかけに制作が始まりました。
私たちには日常がスライドショーのようにつながって見えているので、過去・現在・未来といった流れを感じます。
モチーフに対して丁寧に一瞬一瞬感じ取り、それが一枚にフォーカスされた時、余分なものが削ぎ落とされた「今この瞬間」の穏やかさがあるように感じているといいます。
作家としては、セットとなる2つの絵を並べて飾っても、別の空間に飾っても、別の人が所有しても面白いといいます。
心に触れる日常風景が、生活を豊かにすることを目指して
作家が大切にしていること、それは自分自身と周囲の人たちが豊かになっていくことだといいます。
何が「豊かさ」と呼べるのかは人によって異なりますが、その豊かさを見つけ、深めていくことが重要と考えているのです。
見た人のその後の生活を豊かにしていくことを目指し、制作された作品。
心にすっと入り込み、繰り返し眺めたくなる風景は、その人にとって最も大事なことを思い起こさせる手がかりのようです。
「yellow lily」60.6 x 50 cm, キャンバス、油彩
「Blueberry field」45.5 x 38 cm, パネルに綿布、油彩
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今関絵美|Emi Imazeki |
武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
個展
2003 “数字で言うと偶数で” Pepper’s Gallery 銀座
2009 “アカシックレコード Akashic Records” Pepper’s Gallery 銀座
2017 “言葉を失った瞬間だったのに、それがとても物語だった時” Pain au Sourire 渋谷
グループ展
2010 Japanese Emerging Artists’ Exhibition in NY 3rd “Other Painting” WILLIAMSBURG ART & HISTORICAL CENTER,NY
2019 rooms EXPERIENCE 38 五反田
第14回 TAGBOAT AWARD 入選者グループ展 世田谷
Contemporary Art Salon, Spring 2019 (春季當代藝術沙龍展)台北
アート解放区DAIKANYAMA 代官山
2020 アート解放区GINZA 銀座
tagboat x ジェイアール名古屋タカシマヤ 名古屋
2021 アート解放区EATS日本橋
アートフェア
2017 Independent Taipei
2018 Independent Tokyo
2021 tagboat art fair 浜松町
受賞歴
2002 トーキョーワンダーウォール2002 入賞
2003 第14回関口芸術基金賞 入賞
2004 武蔵野美術大学卒業制作展 研究室賞
2019 第14回 TAGBOAT AWARD 入賞