前回に引き続き、具体的に草間彌生の国内外での落札状況について、データを分析してみましょう。
前回はオークションのエスティメートについて、説明しました。
たとえば、前回ご紹介した草間彌生の「Pumpkin 2000 (yellow) 」の版画は、10,143ドルというエスティメートの下限価格から始まり、実際には23,851ドルで落札されました。
この2つの数字を割り算すると、
オークションスタート価格から235%の上昇率で落札されたことになります。
この数字が大きければ大きいほど、この作品は、
オークションハウスの想定を大幅に上回る需要があった(=高額で求められた)と考えることができます。
ここで、2019年2月から5月のデータを使って、草間彌生・版画の「落札価格上昇率」の大きな傾向を見てみましょう。
◾️アーティスト:草間彌生
◾️メディア:プリント
◾️期間:2019年2月ー5月
◾️地域:日本のみ
【日本での落札価格上昇率】
ちょうど半数の作品が、エスティメート下限から1.5倍の間で落札されており、
残りのほとんどは1.5倍から2倍での落札となっていますね。
当初の想定よりも落札価格がかなり上回っており、
人気が高いと言うことができると思います。
2.5倍 (250%) 以上での落札は、全体の5%です。
それではここで、ちょっと興味深い比較をお見せします。
上のグラフは日本のオークションハウスでの落札データなのですが、同じデータを海外でのオークションハウスに対してまとめたところ、
このようになりました:
◾️アーティスト:草間彌生
◾️メディア:プリント
◾️期間:2019年2月ー5月
◾️地域:海外(日本を除く)
【海外での落札価格上昇率】
なんと・・・2.5倍 (250%) 以上での落札が、全体の約4割を占めているのです!
ひとことで言うと、海外の方が、スタート価格に比べて、より高額で落札されています!
中には、3倍、4倍、5倍なんていう作品もあります。
では、草間彌生のどんな作品がもっとも上がっているのか、そしてその上昇はいつまで続くのか?
を、次回以降2回にわたって考察していきます。(こちらはオンラインサロンの有料会員のみとなります)
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カボチャ(色別)、花、インフィニティネットなどモチーフごとに落札価格をマッピングして、その分析結果を時間を追って解説します。
直近4ヶ月間の落札データ推移「平均落札額と平均作品サイズ」を見ていき、今後のトレンドがどうなるかについて分析してみます。