有村佳奈は女子美術大学デザイン学科を卒業後、乙女と世界と生と死と日常をテーマに描き続けています。
銀座、阪急MEN’S TOKYO 7F、タグボートのギャラリースペースにて個展開催を予定している作家が、卓越した表現力で描く、夢と狂気が入り混じる乙女たちの世界をご紹介します。
新作は2022年7月1日(金)から会場販売開始、同日13時からはウェブサイトにて販売開始予定です。
有村佳奈 Kana Arimura |
仮面に隠されたもの
秘密にしておきたいこと、誰にも言えない憧れ、直視できない現実への葛藤…。
有村佳奈の作品に描かれる人物たちは、仮面を被り、隠しきれない何かを隠そうとしています。その姿は作家の分身であると同時に、私たち自身でもあるのです。
ベイビーベイビー
2021年, キャンバス・アクリル絵の具,50x 65.2 cm
花びら
2021年, キャンバス・アクリル絵の具,50x 65.2 cm
揺れ動く感情のリアル
花咲くようにロマンティックな世界の中で描かれるのは、心の中にもやもやと現れる、理想の何かになりたい自分。あがき、苦しみ、悩みながらそれでも生き抜こうとする現実の苦み。
作品とともに綴られる「詩」が、リアルな感情の動きを訴えかけます。
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私は静かに怒っている。
静かに静かに怒っている。
見た目ではわからない。
私は隠すことが上手なんだもの。
でも隠せなくなったらどうするの?
この感情の行先を
どうしていいかわからない。
そして私は魔女になる
2022年, キャンバス・アクリル絵の具, 162x 130.3 x2.5cm
夢と現実の狭間へ
甘やかなファンタジーの世界へ現実逃避し、また外の世界での戦いへと戻っていく、日々はその繰り返しです。
例えば女の子が隠し持つ銃、それは可愛くおしゃれをして現代を生き抜くための「武装」として描かれています。
夢見る世界の中に仕込まれたスパイスは、夢と現実の狭間で悩みに寄り添い、揺らぐ感情と付き合っていくための覚悟を与えてくれます。
そして彼女は魔女になる。
2022年, キャンバス・アクリル絵の具, 116.7x 91 x2.5cm
有村佳奈「I’m ready.」
2022年7月1日(金) ~7月21日(木)
営業時間:11:00-20:00
*最終日は17時close、他、館の営業時間に準ずる
*7/1、2、8、9は11:00-21:00営業 他、館の営業時間に準ずる
入場無料
会場:阪急MEN’S TOKYO タグボート
〒100-8488 東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急MEN’S TOKYO 7F
銀座、阪急MEN’S TOKYO 7F、タグボートのギャラリースペースにて、現代アーティスト・有村佳奈による個展「I’m ready.」を開催致します。
有村佳奈は、女子美術大学デザイン学科を卒業後、乙女と世界と生と死と日常をテーマに描き続けています。夢も、ファンタジーも、狂気も、毒も、頭に浮かび上がったものは全て彼女にとってリアルなものとして昇華されます。そこには、「夢と現実」「嘘と真実」「好きと嫌い」など様々に揺れ動く感情の狭間が映し出され、鮮やかな乙女の世界にちりばめられた少しの毒々しさが、癖になるような作品力を放っています。
少ない筆数で表現される立体感のある仮面の少女たちは、彼女の分身でもあり私たち自身でもあります。爽やかで、ロマンティックで、毒気がミックスされた希望と絶望の狭間を、作品と同時に発表される「詩」と共にリアルに訴えかけます。
タグボートでは初の個展となる本展では、有村佳奈が装画を担当したBiSHのモモコグミカンパニーさんの初小説『御伽の国のみくる』 (河出書房新社)の原画を含めた新作を展示販売致します。ファンタジックで色っぽく、少々狂気的な有村佳奈渾身の作品をどうぞご高覧ください。
CONCEPT
「変わっていくこと」を知っていたのに、
「変わらないでいてほしい」と望んでいた自分。
変化を恐れて、見ないフリをしていたのだ。
覚悟を決めよう。
何の心構えなんてできていない。
それでも見栄をはろうではないか。
I’m ready.
2020年のコロナ禍以降、変わっていく社会情勢に対してどうしても心の中で「前のように戻ってほしい。」という気持ちが捨てきれないまま過ごしてきた。見ないままでいたことを、見ないままでいたかった。「無知であること」を選択していたかった。変化を受け止めきれなかったのだと思う。起こらない夢を見たかったのだ。
けれどもう変わるのだ。事実から目を離してはいけない。
押し寄せる残酷な未来像に対して絶望的な気持ちが強くあるけれど、希望的な観測を辞めてはいけない。心の準備はできた。いや、できていないかもしれないが、そう言い切ることで覚悟を決めよう。ギリギリまで明るくキラキラしていたいし、キラキラを子どもたちにつなげたい。明るく苦しく狭間を行き来することを覚悟した意思表示の個展。
有村佳奈
72.7x 53 cm、キャンバス・アクリル絵の具、2022年
53x 45.5 cm、キャンバス・アクリル絵の具、2022年
60.6x 45.5 x2cm、キャンバス・アクリル絵の具、2022年
有村佳奈 Kana Arimura |
有村佳奈 Kana Arimu
1985年生まれ。鹿児島出身。乙女な絵描き。
女子美術大学デザイン学科卒業。
現在、大阪在住。夢と現実、嘘と真実、好きと嫌い。
様々な感情の「狭間」をテーマに描いている。
《個展歴》
2021年 個展「Color Girls」clouds art+coffee/東京
2020年 個展「新宿ミロード×有村佳奈アート展」(新宿ミロード)
2020年 個展「Welcome to Daydream ―ようこそ、白昼夢へー」アートコンプレックスセンター東京/新宿
2018年 個展「Fantasyは眠らない」アートコンプレックスセンター東京/新宿
2017年 個展「きっといつか夢から醒めてしまうね。」アートコンプレックスセンター東京/新宿
2014年 個展「Everyday Wonderland」アートスペース羅針盤/銀座
《主なグループ展歴》
2022年 「tagboat art fair」 東京
2022年 「TAGBOAT ART SHOW」 東京
2021年 「カモフラージュ展」MASATAKA CONTEMPORARY/東京
2021年 「Triangle展」同時代ギャラリー/京都
2021年 「tagboat art fair」 東京
2020年 「tagboat x JR名古屋タカシマヤ グループ展」 ジェイアール名古屋タカシマヤ/愛知
2020年 「The Black!」 芝田町画廊/大阪
2020年 「VIVID展」 アートコンプレックスセンター/新宿
2020年 「アート解放区GINZA」 高木ビル/銀座
2019年 「アート解放区DAIKANYAMA」 TENOHA 代官山/東京
2019年 「花とひと」 アートコンプレックスセンター/新宿
2019年 「FROM WEST VOL.2」 MASATAKA CONTEMPORARY/東京
2018年 「Landscapes展」 ondo/大阪・東京
2017年 「上野の森美術館大賞展」 上野の森美術館/東京
2014年 「POP UP GENTLEMAN」 阪急梅田メンズ館/大阪
2012年 「シブカル祭」 渋谷パルコ PARCO MUSEUM/渋谷
《イラストレーション》
2022年 「かくも甘き果実」著・モニク・トゥルン|訳:吉田恭子(集英社)/ 装画
2022年 「御伽の国のみくる」著・モモコグミカンパニー(河出書房新社)/ 装画
2022年 「絶望キャラメル」著・島田雅彦(河出文庫)/ 装画
2021年 「友達未遂」著・宮西真冬(講談社文庫)/ 装画
2021年 「首の鎖」著・宮西真冬(講談社文庫)/ 装画
2021年 「正しい女たち」著・千早茜(文春文庫)/ 装画
2021年 「踊る彼女のシルエット」著・柚木 麻子(双葉社)/ 装画
2021年 「強制終了、そして再始動」著・吉野万理子 (講談社)/ 装画
2021年 「誰かが見ている」著・宮西真冬(講談社文庫)/ 装画
2020年 「雑誌『anan』|2231号」(マガジンハウス)/イラスト
2020年 「新宿ミロードクリスマス装飾・WEB抽選会」(小田急エージェンシー)/ メインビジュアル
2020年 「五色の殺人者」著・千田理緒(東京創元社)/ 装画
2020年 「pray human」著・崔実(講談社)/ 装画
2020年 「一緒に絶望いたしましょうか」著・狗飼恭子(幻冬舎文庫)/ 装画
2018年 「ミュージカル『マリーゴールド』」(ワタナベエンターテイメント)/宣伝イラスト