先日、集まった50名の取り扱いアーティストを前にしゃべったことをここでお話したいと思う。
これから先、タグボートが目指す姿は「脱・オンラインギャラリー」である。
これは何もタグボートがオンラインでの販売をやめるということではない。
おそらくこれからもタグボートの販売のメインはオンラインであり続けるだろう。
では何が違うかというと、タグボートは日本で最大のオンラインギャラリーであると同時に「日本で最も展示をするギャラリー」になるということだ。
つまりオンラインだけに頼らないという意味での「脱・オンラインギャラリー」なのだ。
さて、日本で最も展示をするということであるが、それは今秋から始まる約1年半の中で実現していく予定である。
展示の規模、頻度、ともに国内のギャラリーでは類を見ないほどのスケールとなる予定だ。
もちろん国内だけにとどまらず、海外においても同様の大きなスケールで進めていくこととなる。
このようにタグボートが「脱・オンラインギャラリー」を掲げて「日本一展示をするギャラリー」へと変貌していくのには理由がある。
ひとつはオンラインでアートを販売することがより一般的になり競争が激化することが分かっているからだ。
ここ1,2年で急激に増えてきたアート系のスタートアップ企業は、程度の差はあるにせよ基本的にはオンラインを通じてアートを販売したりレンタルしたり、ブロックチェーン証明書を発行したりするところがほとんどだ。
オンライン販売のプレーヤーが増えることは自明の理であり、そこでの競争は熾烈になるだろう。
基本的にタグボートは「競争する」ことを好まないため、他のオンラインギャラリーとは違う分野で勝負をすることを考えている。
それが「圧倒的な展示」ということだ。
タグボートの取り扱いアーティストはすでに100名を超え、その数は徐々に増えていくのだがオンラインで掲載するだけでは十分とはいえない。
この春に銀座にある阪急メンズ東京でギャラリーをオープンしたのであるが、月一本程度の個展、グループ展だけではすべてのアーティストの作品を展示するのは無理だ。
多くのアーティストの持つ世界観を世間に見せていくためにはリアルのスペースで見せることがもっとも重要であり、オンラインというのはそれを補完する役割でしかないと考えている。
タグボートはこれまでその補完する役割のほうに集中してきたことで国内最大のオンラインギャラリーとなったのであるが、実際は片手落ちのままなのだ。
つまりオンライン分野でのトップランナーに甘んじるのではなく、同時に展示の分野でもトップランナーであるべきだという考え方を突き進みたいと思う。
ただし、あくまでタグボートのミッションは「一人でも多くのアーティストが食べていける」ことであり、一人のスター作家を作ることではない。
1点が500万円を超えるようなアーティストはタグボート以外の海外のトップギャラリーを目指すべきであり、タグボートもその才覚があるアーティストにはそれを奨めることになるだろう。
では具体的に何をするかということであるが、すでにアーティスト向けに発表したように今後の展示の予定は国内外を含めてすでに目白押しの状況である。
今週から始まる台北でのグループ展を皮切りにニューヨーク展も12月初旬に開始する。
それだけではなく国内外でかなり大きめの展示を計画している。その一部をここで少しずつ明らかにしていきたいと思う。
ウェブを通じたビジネスはこれからも伸びていくだろうが、それはリアルの作品を見ることによって始まるということを証明していきたいと思う。
リアルの展示がバーチャルのネット空間へとシームレスにつながっていくのだ。
まず最初は、来年から始まるプロジェクトのうちの一部を次のコラム「タグボートの脱・オンラインギャラリー計画」にて紹介していきたいと思う。
こちらは有料会員だけの内容となるので興味ある方は月額1000円のオンラインサロンをお申込みいただきたい。