石川美奈子は透明なアクリル板に極細い線を重ねる技術を駆使して、光の揺らぎや色の移ろいを繊細に表現しているアーティストである。
すでにタグボートで何度も個展、グループ展を開催しているので馴染みのファンも多いとは思うが、今回の個展ではこれまでにない規模で新たなチャレンジをしていくことになる。
特に圧巻なのは、レインボーのグラデーション作品を壁一面に48点展示する企画だ。
これまでも長さ10メートルの帆布にブルーのグラデーションを施した作品を天井から吊り下げる等、常にアグレッシブな展示をしてきた。
海外、特に台湾ではこれまでに5回ほど個展、グループ展をしている。
さて、規則正しく描かれた極細のグラデーションはどのような環境から制作されるのだろうか。
積極的な作品制作を支える石川美奈子のアトリエは「創造の静かな避難所」であり、東京の喧騒から遠く隔離された白を基調とした清潔感あふれる空間に存在する。
その「避難所」の持つ環境は、彼女の創造力を最大限に引き出すためのものであり、心を穏やかに保ちながら色彩がより鮮明に見える環境が整えられている。
石川美奈子の一日は規則正しく、朝のヨガで心身を整えた後に読書をし、その後アトリエでの作業に入る。
アトリエ内では、彼女が制作活動をスムーズに進めるための工夫が随所に施されており、道具や材料が整然と配置されている。特に、絵の具の乾燥を防ぐための独自の方法として、穴を開けたタッパーに水を入れて絵の具のチューブを差し込む工夫をしているのだ。
また、石川美奈子の作品は自然からのインスピレーションに深く根ざしている。
彼女は自然界のさまざまな要素、特に散歩中に見かける木々や空の色、風に揺れる草花から多大な影響を受けており、これらが彼女の作品に色濃く反映されている。
これらの自然の瞬間は彼女のキャンバス上で再解釈され、観る者に新たな美の形を提示し、心に響くメッセージを伝える意図があるのだ。
石川美奈子は自身のアートを通じて、社会との対話を重視している。
作品はただ美しいだけでなく、感情や思考を刺激し、見る者自身の内省を促すような工夫が中にあるのだ。
今後も石川美奈子は新しい表現方法を探求し続けるであろう。
彼女の作品は国内外のアートシーンで重要な位置を占め、見る者に新たな視点を与える。
石川美奈子のアートワークは、視覚的な美を超え、感情や思索を喚起する芸術としての価値を持ち、多くの人々に感動を与え続けるであろう。
石川美奈子「Resonance」出展作品 事前抽選のご案内
【抽選方法】
10月22日(火)~10月27日(日)の抽選応募期間中に、こちらの応募フォームよりお申込いただいたお客様の中から抽選で作品を販売させていただきます。
石川美奈子個展開催を記念してオープニングレセプションを開催します!
石川美奈子個展 事前抽選作品のご紹介
石川美奈子個展アトリエインタビュー
石川美奈子個展アトリエインタビュー「創造の静かな避難所」
11月1日(金)よりタグボートにて個展を開催するアーティスト・石川美奈子。
透明なアクリル板に数千本の極細い線を重ね、光の揺らぎや色の移ろいを美しく表現する石川美奈子。近年は、台湾・台南市にある奇美博物館での企画展示「Outside the Box」に選出されるなど、海外でも活躍の場を広げています。
tagboatでの個展開催に向けて石川さんのアトリエに訪問し、お話を伺いました。