中島友太は1993年大阪府生まれ、現在東京在住のアーティスト。エンライトメント所属のアートディレクターとしても活躍しています。
古い映画や古本、ネットやAiで生成した画像などからサンプリングした素材をデジタル上で加工し、キャンバスにペインティングを施して制作しています。
中島友太 Yuta Nakajima |
どこか懐かしく、新しい既視感
キャンバスに油絵具, 65.2x 100 x2.5cm, 2023
作家はこれまで作品の中で、過去のイメージを解体し、再構築し、キャンバスに落とし込むことを繰り返しながら、新しいイメージの創造を追求してきました。
最新シリーズで主に引用元としているのは、古い白黒映画や過去の映像のワンシーン。
腰を据えて映像をじっくりと見ることが少なくなった現代、場面は即座にスキップされ、全てのものがあっという間に消費されていってしまいます。
そんな時代において過去の映像を切り取り、人物や風景の輪郭をぼかして手で描くことによって、ノスタルジックな光景を変容させます。
時を超えて選んだ図像を現代に移し替えることで「時空の歪みのようなもの」が生じると作家は考えています。
キャンバスに油絵具, 65.2x 100 x2.5cm, 2023
キャンバスに油絵具, 100x 100 x2.5cm, 2023
過去を踏襲しながら、まだ見ぬ表現を模索する
キャンバスに油絵具, 60.6x 72.7 x2cm, 2022
制作の中で一貫して取り組んできた、自身の日常生活の中で集めたイメージをサンプリングし、コラージュして絵画化するということ。
作家が特に好んでいる、戦後から80年代にかけての大衆文化や芸能からくるノスタルジックな感覚を軸に選ばれた図像は、構成し、解体し、また構成されるという過程を経ることで、全く新しいイメージへと生まれ変わります。
デジタル上でコラージュしたものをアナログに変換し、キャンバスにペインティングとして落とし込むことで、
過去と現在、未来が入り混じりながら、作品の中で同時に進行していくのです。
キャンバスボードにアクリル, 22.7x 15.8 cm, 2021
キャンバスにアクリル, 45.5x 53 x1.7cm, 2020
時代にとらわれない、普遍的なアートへ落とし込む
キャンバスに油絵具, 91x 72.7 x6.3cm, 2023
作家はアーティストとして活動する傍ら、商業の分野でアートディレクションも手掛けています。
高速で時代に消費され、磨り減ってしまうイメージ。それらを今一度捉え直し、絵画として描くことで、別の角度からの見方を示し、厚みを与えるのです。
過去に残されたイメージを幾度も解体し、再構成することで生まれる、全く新しい味わい深さ。
それは時代に左右されない普遍的なものとして鑑賞者の前に現れます。
キャンバスに油絵具, 53x 45.5 x1.7cm, 2023
キャンバスに油絵具, 72.7x 60.6 x2cm, 2023
キャンバスに油絵具, 65.2x 53 x2cm, 2023
中島友太 Yuta Nakajima |
【主なグループ展】
2023年 「tagboat Art Fair 2023」 東京ポートシティ竹芝(東京)
2023年 「WAVE」 JAPAN HOUSE(ロンドン)
【主な個展】
2023年 「CERTIFIER」 X8 GALLERY(東京)
2023年 「TRANSFER」 YUGEN Gallery(東京)
1993年大阪府出身。東京在住。アーティスト、アートディレクター。エンライトメント所属。
アーティストのヒロ杉山に師事。古い映画や古本、ネットやAiで生成した画像などからサンプリングした素材をデジタル上で加工し、キャンバスにペインティングを施す制作スタイル。