榊貴美は1983年 和歌山県に生まれ、2012年 東京造形大学大学院造形研究科造形専攻美術研究領域を修了したアーティスト。
国内外の多数の展覧会に参加し、クリエイティブユニットS+N laboratoryとしても多方面に活動しています。
作家は幼少期を過ごした和歌山県「熊野」-仏教、自然崇拝など、様々な「信じる」が融合した環境から大きな影響を受けました。
寝る前に絵本や童話の読み聞かせをしてもらった子どもの頃から愛してやまない、物語や絵画の世界。作家の珠玉の作品群をご紹介します。
榊貴美 Kimi Sakaki |
スパークする瞳の奥に
きらきらちゃん 4
パネルに油彩・アクリル, 33.3x 24.2 cm, 2019
榊貴美の創作における中心的存在として描かれる「子ども」。
画面の中の子どもたちは、こちらをまっすぐに見つめ、目にはこの世のあらゆる輝きが乱反射し、瞳の奥からあふれ出します。
さまざまな事象をときに鏡のように映し出し、ときに器のように受け止める存在の象徴として描かれているのです。
パネルに油彩・アクリル, 33.3x 24.2 cm, 2023
パネルに油彩・アクリル, 91x 91 cm, 2022
「子ども」というアイコン
twin 1
パネルに油彩、23 x 32 ㎝, 2013
無邪気に遊びに興じる子どもたち。その幻想的な姿は神聖な存在や、どこか別世界の住人の姿を思わせます。
彼らは成長の過程で、自然の中にある美しさや厳しさに直面し、未知なるものへの好奇心や畏れを知るようになります。
大人の想像力の枠を飛び越え、自由自在に冒険する姿は、かつての「あなた」や「わたし」の姿を映し出すかのよう。
鑑賞者は作品を前にすると、自身の中に眠る内なる子どもを呼び覚まされるような気持ちになるでしょう。
和紙に木版画, 37x 26 cm, 2017
和紙に木版画, 37x 26 cm, 2017
眠りに落ちる前の物語
Blindfold
パネルにアクリル・油彩, 41 x 31.8 cm, 2016
作家は幼いころ、繰り返し絵本や童話を読み聞かせてもらい、めくるめく物語の世界に没頭したことが原点にあるといいます。
大人になるにつれて忘れてしまう感覚を呼び起こす、あの夢の中にあるようなきらめき。
眠りの前にふと思い出す懐かしくも新しい気持ちが、作品を通して伝わり、私たちを惹きつけます。
パネルにアクリル, 41x 31.8 cm, 2019
パネルに油彩・アクリル, 80.3x 80.3 cm, 2023
榊貴美 Kimi Sakaki |
1983 和歌山県生まれ