タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
アーティストになったきっかけ、作品制作方法、作品への想いなど、普段は聞けないようなお話が満載です。
榊貴美 Kimi Sakaki |
小さいころから絵を描くのが好きでしたか?
田舎で育ち、基本は豊かな自然が遊び場だったので、自然を駆けまわって遊んでいましたが、同時に絵を描いたり何かを表現することも好きでした。
美術の道に進むことになったキッカケは?
共働きの両親だったので忙しく、ただ、寝る前には必ず、絵本や童話の読み聞かせをしてくれたり画集を見せてくれたりして、その絵本や児童文学の世界や絵画が大好きで、そんな自分の考えを様々に表現できる人たちに興味を持ち、自分をそこに重ねるようになりました。
田舎に住んでいたので、ギャラリーや美術館などは身近にあるわけではなかったので、幼少期は実物の作品を見る機会はあまりなく、もっぱら父が集めていた画集を見てたのしんでいました。小学校に入って近くのお寺に行って写生をしたりする授業があったんですが、その際に本堂の中にある円山応挙や長沢芦雪の襖絵等も見学させてもらったり、美術館やギャラリーというより神社仏閣で藝術に触れることの方が多かった気がします。
振り返ってみると、小さな頃の夢にきっちり進んでいる自分にちょっと笑えましたが、それをくじかずにいてくれた家族や周りの環境に感謝ですね。高校で出会った美術の先生が、外へ出るよう背中を押してくれたのもよかったんだと思います。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなときですか?
トーキョーワンダーウォールです。大学に入りたての頃で、この時の展示をきっかけに色々な方と知り合う事ができ、現在の活動へと繋がる機会となりました。
※初期の頃の作品 むかでごっこ や ダブルスタンダードシリーズ
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?
今は、小さな子どもがいるので、子どもがお昼寝しているときや夜寝たあと、朝早く起きて、等そういった合間時間をぬって制作したり、いざというときは、となりに机をつくって一緒に絵を描いていることもあります(笑)こども時間に合わせると集中力が途切れてしまうので、最初は戸惑いましたが、だんだん慣れてきました。でも、もっとスマートに子育てと仕事を両立できるとよいのに、と思うことは多々あります(笑)
作品の制作手順や方法などを教えてください。
作品のイメージを思いついたとき、ものすごーくラフに、描いたり言葉で残します。後々他のイメージをくっつけることもありますし、色々調べたり等下準備もしつつなので、はっきりとはどこからスタートしているのか分からないことが多いです。直ぐに取りかからないこともありますし。
色々イメージとか方向性とかがまとまってきたら、まず、とりためた写真(もしくはイメージに合わせた写真を撮る)を元にし、PCでの作業で組み合わせたり形を決定したりしていきます。わりと時間をかけてじっくり制作するタイプなので、発表予定の作品をつくる場合は、納期の時期までを逆算して、合間合間の乾燥期間とかを含め、長期的に複数枚を同時に制作することが多いです。シリーズものも多いですし。
そのかわり、これはまだ違うと思えば、潔く切り捨てたりもしますが。
それはそれで、時間がたってからイメージとして機が熟したときに、描き加えて別の機会に発表するなんてこともあります。それまでは、本当に封印。
現在、力を入れて取り組んでいること
近いところでいうと、11月に、数年ぶりの個展や画集出版の予定があるのでそれですね。
初の作品集を出版するので、それに向けて執筆していただく方々からインタビューを受けたり、自身の考えと向き合うことが普段より多くありました。
作品をつくる上で、様々なものに自分を開いていかなければいけないし、その境を行き来しなければいけないと思っているのですが、それはとても難しく容易でない事のように思います。考えなければいけないことも多く、自分を深く掘り下げる時期と思ってやっています。
初作品集ぜひ手に取ってみてください!最新作もたくさん載ってます! 宣伝です(笑)
KIMI SAKAKI twinkle
出版社:月曜社
11月 刊行予定
将来の夢、みんなに言いたいこと
子どもを持ってよく思うようになったのですが、自分ひとりでできることには多少なりとも限界がくるときがあります。人の力をたくさん借りてでも、やりたいことを推し進められるタフな人間になりたいです。
あまり得意な方ではないのですが、人の力を借りられることって結構重要なことだと思っています。
そんな時は、どんな形でも助かりますので、ぜひお力お貸しください(笑)
榊貴美 Kimi Sakaki |
1983 和歌山県生まれ