見本市とアーティストのパフォーマンス
先日開催されたアートフェア東京は会期中に55,000人の来場者でにぎわったようだ。
同時に隣の会場ではSBIアートオークションが開催されるなど、購入者としてはプライマリーとセカンダリーが買える非常に便利な場となったようである。
さて、アートフェアというのは美術品の「見本市」であり、主役はギャラリーである。
従い、各ブースではギャラリーの特徴を見せる展示となっており、基本は複数の作家によるグループ展だ。
そこではギャラリーに所属する作家のごく一部、しかも売れっ子のアーティストを展示していることがほとんどだ。
見本市なので、アーティストにとっては美術品としての表現をする場とはなりにくいというのがアートフェアの現実だ。というのは、ギャラリー側の思惑で、狭いブースになるだけ多くの販売品を展示することが目的だからだ。
従い、以前からアーティストのファンであれば問題ないのであれば、そうでなければ数点の作品の展示を見るだけでは作家の本質的な部分を感じることは難しいだろう。
また、アートフェアでアーティストがブースの中にいることもあるが、あくまで主役はギャラリーでギャラリストが顧客を接遇する場なので、アーティストが常駐することはあまり多くはない。
そういう中で、お目当てのアーティストを探すのは至難の業だ。
だからこそアートフェアは作品との出会いは一期一会であり、その時に初めて会ってその場で買わなければ次に買うチャンスを失ってしまう。
手練れのコレクターにとってはよいのだろうが、まだ初心者のアートコレクターにとっては作品同士の価格比較も難しく、苦心することだろう。
というのは、価格が表示されているキャプションを付けているギャラリーは意外と少なく、売り物であるのだが、購入者が都度ブースにいるギャラリー担当者に価格を確認しなければならない。
ブースで展示できる空間が狭いという要因もあるのだろうが、価格チェックが容易にできなければ、不都合に感じることもあるだろう。
アートフェアの課題を克服する新しいアートフェア
4月26~28日に開催されるタグボートアートフェアでは、主役はあくまでもアーティストだ。
従い、各ブースはアーティストのミニ個展ができるスペースになっている。壁長は一人あたり13メートルあるので、大型作品をメインとしたゆったりとした空間での展示が可能だ。
つまり、アーティストが表現できる場となっており、アーティストの息づかいが伝わってくるアートフェアとなっている。
これは、初心者のコレクターにとって新規にアーティストのサポーターとなってもらう場を作っていく場でもあるのだ。
またコレクターにとって分かりやすいように、アートフェアが始まる前にはオンラインで全作品をチェックできるようにしている。
もちろん会場でも自宅でもオンラインで購入できるという利便性がある。
それよりも、やはりアーティストと直接会えることはサポーターとなるには好都合だ。
アーティストと話をすることで、考え方、性格を知ることができるし、様々な面でアーティストをサポートするきっかけになれるはずだ。
通常、アーティストと直接会える機会はその作家の個展のオープニングくらいであるが、タグボートアートフェアは90名のアーティストのミニ個展の集合体であるため、個展のハシゴができるという意味では非常に合理的だ。
コレクターとして、新たにアーティストのサポートをしてみたいと思っている方にはよい機会だろう。
【tagboat ART FAIR 2024】
4月26日(金)16:00~20:00 ※26日はご招待のお客様のみご入場いただけます
4月27日(土)11:00~19:00
4月28日(日)11:00~17:00
〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
東京都立産業貿易センター 浜松町館 2F,3F
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
1500円
公式サイトは以下となります
https://www.tagboat.com/artevent/tagboatartfair2024/