アートマーケットは2つの市場で成り立っている
アートの販売には、プライマリー市場とセカンダリー市場の2つに分かれている。
プライマリーとは、ギャラリーなどから最初に販売する作品のことを言い、セカンダリーとはいったん購入顧客の手元にあった作品をオークションなどで二次販売する作品のことを言う。
つまり、簡単に言うとプライマリー市場とは「新品」市場で、セカンダリー市場とは「中古品」の市場と言ってよいだろう。
ただし、アートの場合は経年劣化が少ないことと、車のように性能が劣ることもないので、中古品といってもクオリティが下がることはない。
新品のプライマリー市場で人気が高くなりすぎて作品を買いたくても買えない場合に、セカンダリー市場で出てきたものを買う場合が多い。
人気作家のプライマリー作品を一見の顧客になかなか売ってくれないギャラリーもあるので、そういったときにはお金さえ出せば買えるセカンダリー市場のほうが顧客にとって都合がよいこともあるのだ。
アート市場の特徴としては、プライマリーの人気が高くなると、新品よりもセカンダリーのほうが価格が高くなることが普通に起こることがある。
作品の人気の高さと希少性によって、それに反応してセカンダリー市場で競って買う人が増えるからだ。
また、オークションなどのセカンダリー市場は投資市場としての意味合いが強く、プライマリーのように個人の嗜好だけで購入を判断してないことがよくある。
投資市場だけでは成り立たない
つぎに、プライマリー市場とセカンダリー市場の関係性を見ていきたい。
プライマリー市場はそれだけで成り立つが、セカンダリー市場は単体では成り立たない。
つまり、セカンダリー市場はプライマリー市場の補完的な役割であるということだ。
投資的な意味合いが強いセカンダリー市場は価格を向上させるエンジン的な役割として、セカンダリー市場が盛り上がればプライマリー市場も盛り上げることとなる。
一方で、セカンダリー市場の力が強くなりすぎると作品の価格が急激に上がりすぎてしまうことがある。
オークションの落札価格が上がりすぎてプライマリーで販売している作品との価格差が大きくなりすぎると暴落することもありえるのだ。
だから、ギャラリーで売っているプライマリー価格をオークションの落札価格に連動させて上げすぎると、セカンダリー市場が暴落したときにプライマリー価格も同時に崩壊する危険があるということだ。
これはセカンダリー市場の高騰によって、アーティスト個人がつぶされるということであり、実際にリーマンショックの後のバブル崩壊で厳しい局面となったアーティストもいるのだ。
このようにアート市場ではプライマリーとセカンダリーが相互補完関係にあり、両者に歯車がうまく嚙み合うとその作用で市場が大きく動き始めるのだ。
3月に始まる二大アートフェア
さて、タグボートではオンライン上でプライマリー作品とセカンダリー作品の両方を取り扱っているが、3月に開催されるタグボートアートフェアはプライマリー作品に特化したアートフェアだ。
今回は、アートフェア東京と同時期開催となり、3月11-13日の東京はアート一色の3日間となる。
昨年タグボートは日本初の単独ギャラリーでのアートフェアを開催したが、今年は更に規模を2倍に拡大する。
単独のギャラリーによるアートフェアでは世界最大の規模である2フロア3060平方メートル 、111名の取り扱い作家の個展となる。
タグボート取り扱い作家111名以上によるアートフェアはオンラインでも販売
出展するタグボートの取り扱い作家111名には、それぞれ個展サイズのブースが提供される。
アーティストが表現する世界観を存分に感じていただくために、通常のアートフェアのようなグループ展ではなく、アーティストそれぞれの個展という形式をとることにこだわっているのだ。
出展者に選ばれた111名のアーティストの渾身の作品約2,000点が一堂に会し、それぞれを個展として見られるアートフェアは世界で唯一である。
この個展ブースはアートフェア東京の平均的なギャラリーブースとほぼ同じ面積であり、今年の東京はアートフェア東京とタグボートアートフェアの2大アートフェアの競演となる予定だ。
■開催概要
2022.3.11 (金) ~ 2022.3.13 (日) ※11日はVIPおよび関係者のみのプレビュー