ももえのアート:日常のひとコマを魔法に変える才能
アートとは、見る者に新しい世界を見せる力を持つものである。目の前に広がる何気ない風景を、まったく違う視点から切り取り、今まで気づかなかった感情や意味を浮かび上がらせる。
ももえの作品には、そんな力がある。
彼女の描くキャラクターは、ただの「かわいい女の子」ではない。
それは、現実のどこかに存在しているようで、しかし確かに非現実的な空間に存在する不思議な存在だ。彼女のキャンバスに描かれる世界は、夢と現実の狭間にある。
アートとの出会い:偶然から生まれた表現の旅
ももえが本格的にアート制作を始めたのは2023年の春だった。
それまで趣味としてイラストを描いていたが、「GEISAI」に出展するためにキャンバス作品を作ろうと思い立ったのがきっかけである。
もともと、アーティストとして生きることに確信を持っていたわけではなかった。彼女は「自分が作品を展示して、たくさんの人に見てもらうなんて想像もしていなかった」と語る。
しかし、友人から「自分が楽しいと思うことをやったほうがいい」と背中を押されたことで、彼女は迷いを振り切った。
この決断は、彼女の人生を大きく変えた。ももえは、ただ「絵を描く人」から「自分の世界を作るアーティスト」へと変貌していったのである。
インスピレーションの源:日常の中の「おもしろい」ものたち
ももえの作品は、日常のささいな出来事から生まれる。
彼女は、窓にできた結露や、ランプの影といった何気ない現象を見て、「これを絵にしたらどうなるだろう?」と考える。
そこから新しい作品のアイデアが生まれるのだ。彼女の目には、私たちが見過ごしてしまうような小さな出来事が、まるで物語の一場面のように映っているのかもしれない。
また、ももえはキャラクターを「ただのかわいい存在」ではなく、「表現の一部」として扱う。
キャラクターと素材の組み合わせが、作品の面白さを決定づけるのだ。たとえば、毛糸を使った作品では、「毛糸部分が作品の一番のポイントだから、それ以外はあえてシンプルにする」といった工夫をする。
このように、作品ごとに最適な技法を選び、計算しながら表現している。
作品づくりへのこだわり:新しい発見を生み出す試み
ももえは「作品ごとに表現を変える」ことを大切にしている。
彼女の作品には、毎回違うアイディアが詰め込まれている。たとえば、「女の子が指で押している部分だけがキャンバスから飛び出している」とか、「キャラクターの色が左右で入れ替わっている部分を毛糸でつなぐ」といった具合に、作品ごとに異なる視覚的な仕掛けがある。
単なる装飾ではなく、「そのキャラクターが存在する世界の法則」を表現する手法なのだ。
また、ももえは「新しいことに挑戦する」ことを恐れない。
彼女は「難解な作品にはしたくないが、新しい表現を取り入れながら進化し続けたい」と考えている。これは、アーティストとしての成長を続けるための大きな原動力となっている。
「PLAY GROUND」展で見せる世界観
ももえはこれまでにさまざまな展示に参加しているが、その中でも「PLAY GROUND」展は彼女の作品の本質をよく表している。
彼女はこの展示について、「ブランコやジャングルジムがあるような、楽しい公園を作るような気持ちで作品を考えた」と語っている。
まるで、作品の一つひとつが遊具のように、観る人が自由に楽しめるようにデザインされているのだ。
彼女の作品は、ただ鑑賞するだけでなく、「関わることで完成する」ようなものが多い。
見る人が「どうなっているんだろう?」と考えたり、「もしこうなったらどうなるだろう?」と想像したりすることで、ももえのアートはより豊かなものになる。
ももえのアートを体験するということ
ももえの作品は、ただ飾るだけの絵ではない。それは、日常の中に小さな驚きや発見を生み出し、見る人に「この世界にはまだまだ面白いものがある」と気づかせてくれる。ももえの作品を手にすることは、まるで新しい冒険の扉を開くようなものだ。
また、彼女の作品は今後も進化し続ける。
新しい素材、技法、コンセプトを取り入れながら、彼女のアートはさらに独自の表現へと向かっていくだろう。
彼女の作品を通して、私たちは「新しい視点」を手に入れることができる。
アートは「持つ」ものではなく、「体験する」もの。ももえの作品に触れることは、まるで新しい冒険に出発するようなものだ。彼女の作品を選ぶことは、ただ美しいものを所有すること以上に、新しい世界を発見することに近い。
ももえのアートの世界を、ぜひ体験してみてほしい。
2025年3月14日(金) ~ 4月5日(土)
営業時間:11:00-19:00 休廊:日月祝
※初日3月14日(金)は17:00オープンとなります。
※オープニングレセプション:3月14日(金)18:00-20:00
※3月20日(木)は祝日のため休廊となります。
会場:tagboat 〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町7-1 ザ・パークレックス人形町 1F