今週末の3月19日(金)からタグボート主催の「アート解放区 EATS 日本橋」が始まる。
日本橋三越前から人形町にかけてのエリアでビルのスペースや商業施設など6カ所を利用したアートイベントだ。
3月19日から53人のアーティストによる展示からスタートし、4月5日には15人が追加、4月18日にはさらに12人が追加され、総勢80人のアーティストが一人あたり約4~5メートルの壁を使った展示となる予定だ。
もちろん現地で作品の販売をしているし、別の場所からオンラインでの作品購入も可能だ。
前回TAGBOAT ART FAIRに行けなかった方にも十分満足できる作品揃えとなっていると我々は自負している。
さて、前回のTAGBOAT ART FAIR(3月6、7日)が終わった後、2週間も経たずに大型イベントを立て続けにやることには理由がある。
ひとつめが、TAGBOAT ART FAIRには3千人近くの来場者があったとはいえ、たった2日間だけであり、作家としては数ヶ月かけて作った作品をなるべく長期間多くの人に見てもらいたいという気持ちがありそれを尊重するということだ。
2日間だけでは来れない人もいるだろうし、やはりその後にネット画像だけで作品を楽しむのには限界がある。
コロナ禍でも徹底的にリアルの作品を見せることにこだわることが我々の宿命だと考えている。
二つめの理由として、アート解放区をアーティストが自由に空間を使った展示の場というだけではなく、アーティストの自治区のようなことができないだろうかという企みもあるのだ。
アーティストの自治区のようなチャレンジを開始するのに今回のアート解放区が絶好の機会だと思ったのだ。
例えば、人形町にあるLAUNCHとTHE E.A.S.Tの二つのビルは基本的にはアーティストに運営してもらうことになる。
ビル内の展示会場にはアーティストが常駐し、その中で公開制作をするなど、アーティストの制作風景を垣間見ることができる場所となるのだ。
アーティストが自らスペースの運営にまで入っていくことで、彼らのもつ展示や作品紹介の自由度をさらに高めることができると信じている。
さて、コロナ禍になって、アートフェアやイベントのオンライン開催が相次いでいるが、17年以上前からずっとネット販売をやっているタグボートから見ると、オンラインがリアルの代替にはなることはありえず、あくまで補助的な役目でしかないと思っている。
リアルの空間で展示することこそがアーティストの目的であり目標なので、そこでホンモノを見てもらうことに意味があるのだ。
オンラインギャラリーのタグボートがここに来てリアルのイベントを強化しているのは、アートは「不要不急」なものではなく人間が生きていく上で絶対に必要なものであり、アートが行政の犠牲になることは絶対に避けなければならないということをメッセージとして伝えたいからであり、だからこそ、こんな時期でも人に集まってもらうイベントをやっているのだ。
感染症対策を言い訳に、イベントを中止するということは誰にでもできる。
しかし、それはリスク管理ではなく、リスク回避でしかないと我々は考えている。
アーティストが何カ月も時間をかけて作ったものをオンラインだけで見せて終わらせることに意味がないことをオンラインギャラリーであるタグボートが最も理解しているからこそ、リアルイベントにこだわっているのだ。
さて、アート解放区では三越前~人形町のエリアを回遊をして頂いた方のために、アーティストによるデザインのトートバッグがもらえる特典やコレドの商品券を付けるなど、アートを徹底して楽しめる仕組みを入れる予定だ。
是非、アートフェア東京に行くついでに「アート解放区 EATS 日本橋」にまで足を延ばしてほしいと切に願う。
【開催概要】
日程 2021.3.19 (金) – 2021.5.9 (日)
会場 三越前~馬喰町~人形町に続く日本橋周辺
【場所】
計6カ所 約1,000㎡
■三越前福島ビル1階 東京都中央区日本橋室町1丁目5-3 (3月19日~5月9日)
■コレド室町3 2F、3F(3月19日~5月9日)
■THE E.A.S.T. 日本橋富沢町 6F 東京都中央区日本橋富沢町9−4(4月5日~5月9日)
■LAUNCH 2F、3F 東京都中央区日本橋人形町3-7-6(3月19日~5月9日)
※各会場により開催期間が異なる場合がある。詳細はイベント特設サイトを参照
ニュース記事 :コロナ禍で展示機会を失ったアーティストを支援。日本橋界隈の6ヶ所でアートイベント「アート解放区 EATS日本橋」が開催へ