ほしいアートを見つける方法の中で、先週は若手アーティストであれば将来的な値上がりの期待度も大きいというお話をいたしました。
今回は、ギャラリーのプロモーションのやり方如何によってアーティストの人気が上がったり、それに応じて本人の実力も上がってくるということについてお話をします。
まず、ギャラリー自らが多くの展示の舞台をアーティストに提供することによって、アーティストが目標をもって制作にあたることができるということがあります。
アーティストとギャラリーは協力関係にありますので、アーティストだけではなく、ギャラリーがそれを支えて販促活動を進めることによって協力した両者の力は強くなります。
常にアーティストの伴走役であり、同時にプロデューサーでもあるのがギャラリストの役目であり、そのためには作品を公に見せる場を継続的に作っていかなければなりません。
ギャラリーで個展をする頻度は年に1回であればかなり回転がよいほうですし、展覧会をすれば必ず売れるという自信があるアーティストには早いタイミングで個展を開催していることが分かります。
例えば、あるギャラリーの取り扱い作家数が20名だとすれば、月に1回の展示替えがあるとして、作家側からすれば2年に1回の周期で個展が開催されるというのが一般的です。
逆に言うと、2年に1回しか販促の機会がないということであり、それ以外の時にはギャラリーはそのアーティスト販促をせずに主に別のアーティストをプロモーションしていることになります。
ですので、ギャラリーは国内外のアートフェアに出展をすることで、そこでイチ押し作家を売り込むことになります。
アートフェアは様々な顧客やアート関係者が集まる場ですので、当然ですが収益が見込める作家と、まだ見たことがない人々に作品を見せて評価を得ることを目的とした作家を出品させます。
つまり、将来的に伸びる作家を探すときに、ギャラリーがアートフェアに出品させているようなイチ押しのアーティストから選んで買うと間違いがないということです。
作家の制作スピードにもよりますが、アーティストは年に1回は個展ができるくらいの作品は作っていなければなりません。
継続的かつ頻繁に展覧会があるアーティストはギャラリーとの関係性が良好であり、作家と伴走しながら販促をしていることが明らかですので、そのアーティストは「買い」なのです。
逆に個展を一度開催したけれどもその後に継続がないアーティストの場合、その個展で明らかに売れなかったか、または評価の反響が少なかったということもありえます。ギャラリーとアーティストとの関係性にトラブルがあったのかもしれません。
いずれにしても、成長するアーティストは展示のタイミングをもとにステップアップするものであり、ギャラリー側もそれを期待します。
従い、ギャラリーがどのアーティストを押しているかはギャラリーのウェブサイトを見て過去の展覧会の開催度合いを見れば一目瞭然です。
アートフェア出展アーティストがウェブサイトに書かれている場合もありますのでそれも重要なチェックポイントとなります。
もちろんアートフェアのブースの中で各作家がどれくらい壁のスペースを使っているかもギャラリーの意図が受け取れますので必ず見ておいたほうがよいでしょう。
もちろん、いくらギャラリーのイチ押しアーティストだからといって、自分自身が気に入らなければどうしようもありません。
彼らがイチ押ししている中で自らの趣味嗜好と合わせて吟味しなければ、購入してもすぐに手放すことになりかねません。
作品とは長く付き合う覚悟で本当に自分の好きな作品を選びましょう。
さて、タグボートは2017年からギャラリースペースを開設し、昨年阪急メンズ東京にスペースを移してから継続的に個展を中心としてグループ展も開催しております。
Independent やアワードの入賞者特典として展示をした場合もございますので、それを除いてこれまで開催した個展、グループ展のアーティストの一覧は以下となります。
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【タグボートのギャラリーでの個展・グループ展経験】