オンラインコミュニケーションのメリット/デメリット
コロナ禍において人と人とのコミュニケーションが分断されるという事態が起こったが、その代わりにテクノロジーの進化によって離れている人をネットでつなぐことが当たり前の時代にもなった。
直接のコミュニケーションが貴重且つ重要になる一方で、それがZoomなどのウェブ会議システムによって一部代替できるようになったことがコロナ禍におけるメリットだ。
近い距離で物理的に会えるのにWeb会議を多用しすぎることはコミュニケーションの希薄化というデメリットを生むかもしれないが、一方で出張しなければならないような長距離間ではWeb会議の有用性は費用対効果が高いのは明らかだ。
ネットを使ったコミュニケーション技術がさらに充実していければ、わざわざ遠くまで行く必要性はなくなっていくだろう。
自宅で仕事を完結することにで身の回りを充実させることにお金を払う人も増えていくに違いない。
上記のようなオンラインによる直接のコミュニケーションの代替化が進んだ場合に、アートをオンラインで買う人が増えることは予想できる。
だが、とは言ってもアートは実物と比べると、スマホやPCの狭小画面で見たものとでは明らかに違うのは言うまでもない。
これは直接の人とのコミュニケーションと、スマホやPC画面越しにウェブ会議との違いにも似ている。
つまり、ウェブ会議システムによる薄っぺらいコミュニケーションよりも面と向かって話をしたほうがよいのは当然であるし、マンツーマンの重要性と貴重性は逆に高まっているのだ。
アートも同じで、スマホ画像であらゆる作品を見れたりアーティストの動画コンテンツの視聴が増えても、直接アーティストと会ったり、作品を直に見れることとの違いはまだまだ大きい。
これからの時代は実際に近場で足を運んで行く体験は増えていく一方で、首都圏に住んでいる人から見た国内の地方や海外の展示については、オンラインの役割がより重要となってくるに違いない。
アートを買う立場からすれば、情報発信側が作品画像を掲載するだけでは十分ではなくて、作家のコンセプトに関するインタビュー、さらにどのように作っているかなど作家に関する詳細な情報開示が必要となってくるだろう。
オンラインに見せ方よりも差が付くのは情報量だからだ。
メタバースの時代にアートの購入は変わるのか
さて話は変わるが、様々な商品の中でオンラインとオフラインでの融合が進んでいるひとつは不動産物件であろう。
写真などでは分からない部分は実際にこの目で物件を見たほうがよいのが当たり前だろうが、その一方で実際に物件を見に行く時間を減らして無駄を極小化するためにはネットで検索する段階で絞り込むのがベストだ。
それを考えると、これからの不動産はメタバースを活用することで現地に行かなくてもバーチャル体験で物件選びをするのが普通になっていくだろう。
メタバースの活用例としてわかりやすいものはVRヘッドセットを使用してゲームの世界に自身を投影しプレイするゲームがあるが、まだまだ技術的にはアート業界のメタバース化は時間がかかるかもしれない。
しかし、メタバースはエンタテインメントの分野だけに限らず、今後様々な分野で活用が期待されており、アートでは特にデジタルアートやメディアアートなどの映像関連で必須となるのは早いだろう。
特に、NFTアートを買う場合はよりメタバースが活用されるのは間違いない。
近い将来はバーチャルなNFTアートフェアが開催され、メタバース上で体験しながら作品を買うのが当たり前になっていくことも予想される。
このような動きはFacebookやInstagramなどのSNSが最新の技術でメタバース対応していくことを考えると、今後もSNSを中心としたメディア戦略は最重要となっていくだろう。
さてそうなると、今後は海外に行って商売をすることよりも、海外の顧客にネットを通じて、日本人のアート作品を知ってもらう術(すべ)を我々が身に着けることがますます必要となっていく。
ネットのシステムにおける利用法や輸送手段なども重要かもしれないが、それよりもアートについては情報の公開と浸透化であることは間違いない。
日本のアートメディアのほとんどはまだ日本語のままだ。
Google翻訳などで読めないこともないが、日本語のままでは海外の人からは読みづらいのは否めない。
まずは英語化を当たり前にしないと海外からはスルーされていくし、そうならないためにも今のうちに準備していかなかればならないのだ。
国内の経済が厳しくなることが予測される中で、アート業界で出来ることは海外の顧客への認知が一番であることは間違いない。