先日、タグボートにめちゃくちゃ面白い案件が飛び込んできた。
都内の超一等地のビル丸ごと一棟が解体される前の半年間にそのビルをアーティスト向けに解放するというプロジェクトだ。
まだ最終的にどうなるかがはっきりしないのでここで詳しく書けないのが残念なのだが、とにかくそこにアーティストの楽園を作ると面白いと考えている。
ビルは7階建てで、解体前に全面的に利用できるのでアーティストにとってはかなり遣り甲斐がある。
しかも場所がビックリするくらいのメイン通りにある好立地なので、色んな人に多数来てもらえるというメリットもある。
そこでは、インスタレーション、映像、パフォーマンスなどのほかに公開制作や日本一地価の高いアーティスト・イン・レジデンスも可能だ。
また、アーテイストコミュニティーを作るために、有識者や著名人を呼んでダイアローグ形式の討論会やセミナーといったことも可能である。
特に解体前なので、壁や床、天井などを汚したり壊したりがやり放題というのがアーティストにとって最高の環境だ。
一般的にはアーティストが制作したものを展示する環境には様々な制約があり、それは壁の大きさや形状のほか、現状に戻す必要性などがある。
そういう制約を打ち破ってやりたいことをできる環境で大いにアーティストには暴れてほしいと考えている。
アイデアの募集をしたところ、すでに10名以上のアーティストからとんでもない面白企画も飛び出しており、そこから厳選してどのように実現させていくのかが楽しみだ。
画材メーカーと協力して、アーティスト向けの絵具などの画材提供なども可能であれば行いたいと思っている。
運営もアーティストが主体となってやれるほうが柔軟性が持てるだろうし、アーティストの気持ちが理解できるスペースとなるだろう。
今後このように、解体前のビルの利用や廃校となった学校施設などの古くなった建物の二次利用などでアーティストが活躍できる出番も多く出てくるだろう。
多くの場合はそこに多額の資金や税金を費やしてリノベーションして新しい施設に作り替えることもあるが、できれば思いっきりアーティストに任せたほうが面白いものが出てきそうな気もするのだ。
運営面も含めてアーティストの独創性を広げるための施設にもなりえるからだ。
ニューヨークにはブルックリンのブッシュウィックに多くのアーティストスタジオが集まっているのだが、そこでは秋に公開制作のフェスを開催するなどアーテイストコミュニティーが根強く成り立っている。
日本にはこのようなコミュニティーはないものの、古い施設を利用することでアーティストが集まる場所を作ることも可能だ。
今後、このプロジェクトが進むにつれ、ある段階でこのオンラインサロンメンバーに逐一報告することで新しいアーティストの楽園作りを目指していきたいと思っている。