タグボートは今年は10件ほどのアートイベントを主催または共催する予定となっています。
アートフェアに参加者として出展することはなく、自ら企画を考えて一からイベントを立ち上げることがタグボートの特徴です。
我々がアートイベントを自ら行うことのメリットは二つあります。
ひとつはプロモーション費用をかけることなく作家の販促ができることです。イベントそのものが黒字であればプロモーション費用は人件費を除いてほぼゼロのようなものです。
ふたつめは、主催イベントはやり方をすべて自分で決めて自由に采配できることにあります。
アートフェアのような他のイベントに参加費を払う場合には展示方法などすべて先方のルールに則った形にしなければなりません。
自社イベントであれば、ルールを作るのはすべて自分の思うままです。
さらに他社と顧客を奪い合ったりといった競争もないので、来場された顧客はすべて自分の思うままにプロモーションできます。
しかしながら、イベントを主催することはメリットも多いのですが、一方でリスクもあります。
まず集客できるかどうかは、自社のプロモーション力にかかっていることです。
顧客リストを持っていなければ莫大な広告費用をかけて集客をしなければ効果はありません。
もうひとつは素人の業者と組むとプロジェクトが宙に浮かんでしまうリスクがあります。
実際、タグボートのところにもアートイベントをコラボしませんかと安易に依頼してくる業者は多いのですが、この中には結構やっかいなのもあるのです。
アートのイベントは話題にもなるし安価に開催できると思うからでしょう。
しかし、アートに対する敬意に欠いている態度は特に相手が素人の場合に如実に出ることがあるので気をつけなければなりません。
場所を提供する側の業者がアートというものを正しく理解しておらず、タダで場所を提供しているのだからと言わんばかりにわがままを言ったり、アーティストの行為を軽く見ている場合も少なくありません。
ここで、アートイベントをやってみたいと思っている人のために、タグボートとしてあらかじめ知っておくべきことや、重要ポイントについて述べておきたいと思います。
素人と付き合うな、大怪我をする
アートを理解しているような素振りを見せて、全くアートの本質を理解してない、またはしようともしない業者は後を絶ちません。
何となくの雰囲気だけでアートイベントを始めて、後で儲からないことが分かるいなやイベント直前の段階で自分の都合のよいように勝手に条件を変更したりする業者は要注意です。
そういう業者は最初は調子がよいのですが、お金の流れの問題、販売料率についてはギリギリまで決めないことが多いです。
彼らにとってはすべてが駆け引きであり、金儲けのためにアートが利用されてしまう恐れがあります。
さらにうまくいかないこととしては以下のようなときです。
リーダー不在でイベントの全体像がイメージできない
こういうプロジェクトに巻き込まれると大変です。
リーダーとなる人がいないのでプロジェクトの方向性を示されることがありません。
管理者はとにかく企画書を出せというだけで、自らは何も考えずに出てきた企画の決定権にこだわるタイプもいたりするのでかなり厄介です。
イベントやプロジェクトがまったく見えない暗中模索の中で、勝手きままに良し悪しを決められたらたまったものではありません。
そういうプロジェクトでは内部がくすぶり始めます。
何かをしようとすればストップがかかり、管理されます。何をやればよいのかが分からなくなり、プロジェクトが行き詰まるのです。
担当車がコロコロ変わったり、途中で主要なプロジェクトメンバーが抜けるのは要注意です。そこには闇が隠れているかもしれませんので注意したほうがよいでしょう。
以上、アートイベントを成功に結び付けるためには、上記と逆のことをやればよいのです。
イベントの全体像を指し示すリーダーがいて、その旗振りのもとにプロジェクトを進めるのです。
もちろんそこではイベントを成功させるためのノウハウを熟知しているプロフェッショナルがいることが重要でしょう。
しかし最後のものをいうのはアート愛です。アートに対する深い情熱と理解があれば、どのような困難が立ちはだかっても進めていくことができると思います。
タグボートはどんなことがあってもこのアート愛だけは忘れずにイベントをこれからも推進していきたいと思っています。