大谷太郎は20歳でドイツに渡り、国立アカデミーでの絵の修業を経てベルリンで創作を続けながら、国内外で精力的に作品を発表してきました。
その根底にあるのは「絵は見て楽しむもの」というシンプルかつ究極の絵画観。
寒色も暖色も織り交ぜた自由な色彩表現は心地よく、ぶつかり合う色と色が脳を揺さぶり、日常生活から遊離する楽園感覚を味わわせます。
ときに自由闊達な伸びやかさを、ときに点描画のような細やかさを見せる筆さばきによって、具象と抽象の領域を自由に行き来します。
無国籍でありながら日本の四季を思わせる、鮮やかな表現の魅力をご紹介します。
抽象と具象を横断する画面
木製パネルに油彩, 33x 53 cm, 2023
モザイクのように配された賑やかな色彩、それはまるで遠くから眺めた光り輝く街並みのようです。
リズミカルに置かれた筆が、伸びやかに、細やかに、自在な筆跡となり、
抽象と具象を行き来する画面に満ちたカラフルな色彩が、溶け合い、呼応し合います。
木製パネルに油彩, 53x 65 x2cm, 2023
木製パネルに油彩, 65x 53 cm, 2021
木製パネルに油彩, 65x 53 x2cm, 2021
心満たされる、華やかな景色
キャンバスに油彩, 45x 53 cm, 2016
四季を意識しながら描かれた作品は、日本とドイツ、ふたつの国の季節を体感してきた作家独自の感覚で描かれます。
極彩色のハーモニーは楽園の情景を思わせ、まるで景色そのものが生命を持っているかのように華やぎます。
目に飛び込んでくる鮮やかな色合いが、観る者の心を満たしていきます。
木製パネルに油彩, 53x 65 cm, 2022
木製パネルに油彩, 41x 53 cm, 2020
木製パネルに油彩, 41x 31 x2cm, 2023
描くことで別世界へ連れていく
キャンバスに油彩, 31x 41 x2cm, 2015
あえて全てを計画せず、その時その時の自己の内面と向き合いながら絵を描くという大谷太郎。
制作しながら気ままに展開していく作品世界は、いとも簡単にわたしたちを非日常の彼方へと連れ去ります。
部屋に飾るだけで、心ときめく景色への窓が開かれるでしょう。
木製パネルに油彩, 41x 31 cm, 2022
木製パネルに油彩, 31x 41 cm, 2022
木製パネルに油彩, 65x 53 x2cm, 2023
木製パネルに油彩, 41x 31 cm, 2022