欧米と東アジアの格差
海外からの観光客の減少が止まらない。
政府は入国制限の緩和と言っているが、そのルールの実情は海外の人から見ると来てほしくないと言わんばかりのものとなっている。
今年7月の訪日外国人は14万人であり、コロナ禍前の2019年7月の299万人と比べると95.2%減という状況だ。
さらに観光目的の外国人はたったの7903人と1日250人程度であり、観光バスが10台もあれば事足りる規模なのだ。
このような状況のもと、インバウンド需要で潤ってきた業界は壊滅的な痛手となっている。
すでに欧米では各国の往来には一切の規制がなくなり、マスクをしている人が皆無となる中で、観光だけでなくその他の経済活動も完全に復活している。
しかしながら、いまだにマスクを着けて入国規制をしている東アジア各国の停滞は著しい。日本だけでなく、中国、香港、台湾、韓国なども似たような状況で東アジアがタコつぼ化しているようにも見える。
コロナを終わらせた国と、コロナを終わらせたくない国との間で大きな開きができたといえよう。
これからの東アジアのアート市場
さて、日本では海外からの来訪が激減してインバウンド市場がゼロに近づく中で、アートに関しては一部アジア市場を強く意識したアート作品の需要が盛んになっている。
日本の80年代を彷彿とさせるシティポップ的なイラストアートや、日本の漫画に慣れた東アジア市場をターゲットとしたアニメキャラクター的要素を伴うアートである。
若年層がアニメや漫画をスマホを通して見ることが当たり前となったこの時代に、これまでサブカルチャーとして捉えられていた萌えキャラがメインカルチャーとしてハイアートに進出することが普通となったのだ。
そのようなアートが東アジアのアート市場の一部を狙おうとしているが、まだその動きは日本発にのみにとどまっているのが実情だ。
一方で、欧米を中心とした国際的なアートフェアが東アジアで浸透し始めている。
バーゼル香港に続いて今年の9月2日からFreize Art Fairが韓国ソウルにて開催されることとなる。
BTSなどの韓流アイドルやネット番組の韓国ドラマなど政府が後押しする韓国カルチャーがアジアだけでなく世界中で流行となる中、Baselが香港、Freizeはソウルというように東京を押しのけた形で欧米の潮流が入ってきているのだ。
さらには、11月に開催されるWestbund Art&DesignやArt 021といった上海のアートフェアが、コロナ禍で3年におよぶ入国規制が行わる中でどのような形で開催されるのかが注目される。
コロナ禍がいまだに続く東アジアのアート市場が欧米と比較して縮小が懸念される中で、いまだにアジア市場しかターゲットにできていない日本は他国の後ろを追うばかりだ。
さらに、東アジア各国はこれまでオークション市場が牽引してきたが、欧米の潮流を追う形でギャラリー主導のマーケットが形成される中で、日本だけが置いてけぼりとならないことを祈るばかりだ。
そういう中、タグボートは国内のプライマリー市場を牽引しており、アートフェア、個展・グループ展開催などでのリアル展示が年間3,400点に及ぶようになった。
Independent Tokyoの展示まで入れると6,000点近くになるだろう。
一般のギャラリーの年間展示数が約200-300点であることと比べるとケタ違いの規模であり、これが成し遂げられるのはネットとの融合によることは間違いない。
東京の夏の終わりの風物詩「Art Fair GINZA」
タグボートでは本日(8月31日~9月12日)の銀座三越の催事場を使ったアートフェア「Art Fair GINZA」が開催される。リアルの会場とネットの両方による展開を行っており、すでに700点に及ぶ作品が公開されている。
オンラインでの販売は8月31日の21時からスタートだ。
Art Fair GINZA 特設ページはこちら
特に初日の内覧会や土日は人も多くなることから、事前に作品と価格を見ながら目星をつけておくのがよいだろう。
また、初日は銀座三越の会場販売が優先されるのだが、それには招待券が必要だ。
Part1, 2初日内覧会にご参加いただけるご招待券のお申し込みはこちらのフォームから
■オンライン販売
Part1, 2ともに初日の会場販売終了後の21:00から、タグボートのオンラインサイトでも出展作品を販売致します。遠方の方もご自宅からご購入いただける。
<出展アーティスト>
Part 1
ayaka nakamura/JunKjapunk/TARTAROS JAPAN/VIKI/浅間あす未/有村佳奈/井口エリー/市川詩織/今関絵美/大谷太郎/大槻透/カネコタカナオ/工藤千紘/小池正典/小木曽ウェイツ恭子/後藤夢乃/榊貴美/シムラヒデミ/月乃カエル/西川美穂/西島雄志/橋本仁/濱田有美/ヒョーゴコーイチ/深澤雄太/福井直子/ホリグチシンゴ/増田恵助
Part 2
AKIKO KONDO/Kamihasami/東菜々美/足立篤史/石井七歩/石川美奈子/オオタキヨオ/カワヲワタル/木村美帆/サイトウユウヤ/塩見真由/清水智裕/スガミカ/鈴木ひょっとこ/田村久美子/徳永博子/富田貴智/中浦情/ナカムラトヲル/額賀苑子/濱村凌/林恭子/廣瀬祥子/フルフォード素馨/前田博雅/松森士門/三塚新司/曄田依子/吉田樹保
開催概要
Part1:2022年8月31日(水) ~ 9月5日(月)
Part2:2022年9月7日(水) ~ 9月12日(月)
午前10時~午後8時 ※最終日は午後6時まで
※9月6日(火)は催物会場はお休みとさせていただきます
会場:〒104-8212 東京都中央区銀座4-6-16
銀座三越 新館7階 催物会場
・ご招待券(こちらからお申込みいただけます)
タグボート代表の徳光健治による二冊目の新刊本「現代アート投資の教科書」を販売中。Amazonでの購入はこちら