マーケットインとプロダクトアウト
一般的なマーケティング施策の概念は、顧客像をイメージしてその顧客のニーズを細かく分析した上で、ニーズに基づいた商品選びやサービスを作り上げることである。
いわゆる「マーケットイン」の思考であり、顧客のニーズにフォーカスしてビジネスを展開する施策であることが多い。
市場調査を実施して、顧客目線を分析することで、顧客が本当に必要とするものにフォーカスして商品開発につなげるということだ。
徹底したニーズ分析により、他社のサービスや商品との差別化にもつながるので、モノやサービスであふれる飽和社会において重要な考え方といえるだろう。
「マーケットイン」とは対照的な概念である「プロダクトアウト」は、自分たちが純粋に開発したいもの・世の中に広めたいサービスを基準として、ビジネス展開する手法のことをいう。
つまり、マーケットインのような買い手をベースとした考え方とは異なり作り手側の思いを重視しているのだ。
あくまでも、自分の持っている技術力や企画というものがベースにあり、それを主体として商品開発を行うといった考え方である。
両者の違いについてまとめると、マーケットインでは「売れるモノを作る」という考え方が根幹にあるのに対して、プロダクトアウトでは「良いモノを売る」という考え方がある点に大きな相違点ととらえればよいだろう。
さて、マーケットインのメリットは以下の3つにまとめられる。
着実に安定した売上を作ろうとすれば、マーケットインの思考に沿って戦略を立てればある程度予想された計画に近い成果を得ることができるだろう。
しかしながら、一方でマーケットインにはデメリットもある。
それは、以下の3つである。
つまり、市場リサーチだけでは本当に人が欲しがるモノは分からないということと、顧客の期待を上回るような画期的な商品やサービスはリサーチからは出てこないといったマーケットインの課題点が見えてくる。
上記のような方策の違いを理解すれば、日本のアーティストを海外向けに展開する手法についてある程度の方向性が見えてくるだろう。
つまり、マーケットインとプロダクトアウトの両者のいいとこどりが必要だということだ。
日本のアーティストの海外展開
例えば、アジア市場向けに合いそうな作品をセレクトするとか、米国の上位顧客のニーズに合う強い作品を選ぶといった話を聞くことがよくあるが、実際に顧客のニーズを分析してそれがうまく行ったという話は少ない。
重要なのは全体としての大きなトレンドを把握することである。特にアートの場合は顧客のニーズをイメージだけで細かく分析するのはハードルが高い作業が必要となるので注意が必要だ。
なぜかというと、顧客自身が具体的に何が欲しいかを明確に分かってないことが多いからだ。
国内のみならず、さらに海外となるとニーズ分析が実際とは違うことはよくある話だと思ってよいだろう。
従い、マーケットインというよりも、取り扱いギャラリーが作家の才能に惚れこみ、まだ伝わってない世界にプロモーションをしていくプロダクトアウト的なやり方のほうが海外展開する分には理に合っていることもよくあるのだ。
あくまで顧客のニーズに合う作品よりも、顧客の想像のはるか上を行く作品を見出だして、それを世の中に広げていくことに力と時間を注いだほうがよいだろう。
さて、タグボートでは顧客のニーズ分析をしながら全体の傾向を見極め、さらに顧客の期待を上回る作品を以下のArt Fair GINZAで来週から発表していくこととなる。
東京の夏の風物詩「Art Fair GINZA」
作品をぱっと見るだけで感覚的に購入を決めるというのは当たり前のようで難しいことは言うまでもない。
タグボートでは、8月31日~9月12日に銀座三越の催事会場すべてを使ったアートフェア「Art Fair GINZA」で事前に作品をチェックできるようにしている。
これから日々少しずつ作品が当日まで更新されていく予定である。
Art Fair GINZA 特設ページはこちら
特に初日の内覧会や土曜日曜は人も多くなることから、事前に作品と価格を見ながら目星をつけておくのがよいだろう。
また、初日は銀座三越の会場が優先されるのだが、そこに行くには招待券が必要だ。
Part1, 2初日内覧会にご参加いただけるご招待券のお申し込みはこちらのフォームから
■オンライン販売
Part1, 2ともに初日の会場販売終了後の21:00から、タグボートのオンラインサイトでも出展作品を販売致します。遠方の方もご自宅からご購入いただけます。
<出展アーティスト>
Part 1
ayaka nakamura/JunKjapunk/TARTAROS JAPAN/VIKI/浅間あす未/有村佳奈/井口エリー/市川詩織/今関絵美/大谷太郎/大槻透/カネコタカナオ/工藤千紘/小池正典/小木曽ウェイツ恭子/後藤夢乃/榊貴美/シムラヒデミ/月乃カエル/西川美穂/西島雄志/橋本仁/濱田有美/ヒョーゴコーイチ/深澤雄太/福井直子/ホリグチシンゴ/増田恵助
Part 2
AKIKO KONDO/Kamihasami/東菜々美/足立篤史/石井七歩/石川美奈子/オオタキヨオ/カワヲワタル/木村美帆/サイトウユウヤ/塩見真由/清水智裕/スガミカ/鈴木ひょっとこ/田村久美子/徳永博子/富田貴智/中浦情/ナカムラトヲル/額賀苑子/濱村凌/林恭子/廣瀬祥子/フルフォード素馨/前田博雅/松森士門/三塚新司/曄田依子/吉田樹保
開催概要
Part1:2022年8月31日(水) ~ 9月5日(月)
Part2:2022年9月7日(水) ~ 9月12日(月)
午前10時~午後8時 ※最終日は午後6時まで
※9月6日(火)は催物会場はお休みとさせていただきます
会場:〒104-8212 東京都中央区銀座4-6-16
銀座三越 新館7階 催物会場
・ご招待券(こちらからお申込みいただけます)
タグボート代表の徳光健治による二冊目の新刊本「現代アート投資の教科書」を販売中。Amazonでの購入はこちら