前回のコラムでは、タグボートがアーティストをスカウトするときの見つけ方について書いた。
今回はコレクターとしてどのように購入するアーティストを見つけたらよいのか、について考えてみたい。
実際には購入者がアーティストを見つける方法は我々のようなギャラリーと比較して大きな違いがあるわけではない。
ただし、購入者はギャラリーのようにじっくりと時間をかけてアーティストを見比べたりすることができる余裕はないだろう。
そこではより効率的な見つけ方が必要だ。
今回のコラムでは、すでにオークションに出ているような売れているアーティストではなく、これから売れる可能性がある作家をどのように見つけるかについて考えてみよう。
SNSの活用
InstagramなどのSNSの利用は一般の方にとって分かりやすいアーティストの見つけ方であろう。
ハッシュタグで様々な作品を検索できるし、おススメのアーティストもタイムラインに流れてくる。
その中で気に入ったアーティストがいれば、本人にダイレクトメッセージを送ってどこで展示をしているのか、販売はどこがやっているのかを聞けばよい。
このやり方が一般化しつつあるので、国内のアーティストに海外の購入者から直接連絡が来ることも増えてきたようだ。
つまり、アーティストからするとSNSを介して自己プロデュースが自由にできるようになったので、プロモーション力に長けているアーティストは色んな人の目に留まりやすくなるのだ。
一方、購入者から見ると大量のアーティストの作品を見るメリットはあるが、玉石混交の中できらりと光る才能を見つけるのは大変な労力だ。
スマートフォンの狭小画面から見える作品だけでは、本物の持つインパクトやリアリティを得るのは難しいし、SNSだけではアーティストと直接会うことに比べるとコミュニケーションが薄っぺらくなるだろう。
作家と会おう
何度かこちらのコラムでも書いているが、コレクターとアーティストとの出会いは、投資家と起業家との関係に似ている。
つまり、投資家からすれば、企業のビジネスモデルやプランは絵に描いた餅となる可能性が高く、最終的には起業家である経営者の覚悟、情熱、地頭のよさ、コミュニケーション力というものが会社を成長させる原動力となるのだ。
そういった意味では、アーティストも現在の作品がいくら素晴らしくてもずっとアーティストとして成長し続けていくことができるかどうかは、本人のキャラクターと資質によると言えよう。
よいアーティストを長年にわたって応援していくためには直接本人と会って判断する機会を作ることが重要だ。
とはいえ、アーティストと直接会おうとすると、通常は展覧会のオープニングに在廊している時くらいであり、特に展示の初日は他にも多くの来場者であふれかえるのでアーティストとじっくりと時間をかけて話をするのは難しいかもしれない。
そういった問題を解決するものとして、タグボートが展開しているのがIndependent Tokyoという作家が主体のアートフェアがある。
Independent Tokyoでは約200名のアーティストがブース形式で出展しているため、ブース内でアーティストが持つ世界観を一気に知ることができる。
さらに、各ブースにいるアーティストと直接コミュニケーションができるので、話をしながら作品の見極めができるのだ。
とはいうものの、さほど多くの作品を見たことがない素人にとって、約200名のアーティストが展示する膨大な作品の中できらりと光るダイヤの原石を見つけるのは大変なことだ。
そこで便利なのが、26名の審査員がどのアーティストの作品を評価しているかが一目でわかる仕組みだ。
プロの審査員が各ブースを見た中で面白いと思ったアーティストのブースに「いいね」シールを貼る仕組みなので、「いいね」を多く付けているブースは全体的に評価されているアーティストということが分かる。
Independent Tokyoでは、まず約200名のアーティストをざっと廻って自分の好き嫌いのあたりをつけてから第三者の評価を参考にするのは効率的であるし、間違いの少ないアーティスト選びになるだろう。
ぜひ、8月6日、7日には浜松町のポートシティ竹芝で開催されるIndependent Tokyoに訪れてみてはいかがだろうか。
Independent Tokyo概要
https://www.tagboat.com/artevent/independenttokyo2022/index.php
出展者や審査員一覧
https://www.tagboat.com/artevent/independenttokyo2022/exhibition.php
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