このたび、タグボート代表の徳光健治が「教養としてのアート、投資としてのアート」という本を出版することになった。4月12日(金)から販売開始となる。
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2年半以上前から毎週コラムをタグボートのウェブサイトに書き続けてきたが、それが120本を超え文字数としては2万4千字となり単行本三冊の分量となった。
ここまで書き続けてきたコラムを総括して、さらに読者にとって有益な本にしてはどうだろうかと思ったことが始まりだ。
本を出すキッカケは、現代アートの魅力を知らない一般のビジネスマンにも、アートを買うとどのように世界が変わるかを知ってもらいたかったからだ。
昨年9月30日に放映された松本人志の特番「好奇心クラブWOW」で徳光健治がテレビ出演したことが本を出すことを決めるターニングポイントとなった。
この番組でアートは投資的と社会貢献の両方の意味があるというテーマで話をさせてもらったのだが、そこでのタグボート取り扱い作家の一人である新藤杏子を番組で取り扱ってもらったところ、その日のうちに爆発的な人気につながったのだ。
なんと、翌日までに計50点が瞬時に売れた。
これは何を言っているかというと、アートにお金を出せる人が日本には多くいて、その潜在的なコレクター層がアートの本質を理解すればきちんと作品を買うということが証明されたということだ。
アートのもつ本質としての資産的な価値や社会貢献としての価値が理解されれば、あとはアートを買うのに必要な基本的な知識を身に付ければコレクター層は拡大するということが分かったのだ。
そうであれば、一般のビジネスマンに幅広く深く伝えるためには本というメディアが最も説得力を持ち、読むことにいって深くアート購入のメリットを理解できると感じた。
同時に、せっかくアートを買うのであればどのようなものが資産的価値が上がりやすいのかといったところまで分かるような仕立てとする必要があるだろう。
アート選びにはセンスの良さだけでは通用しないアートの世界の論理があるからだ。
現代アートのマーケットは戦後の米国で生まれて大きく成長した。
ここには、収益を上げ続けることが義務付けられた株式会社のように、アートの価値を上げ続けることをマーケットが求める仕組みが存在する。
そのような基本的なアートのマーケットの知識も購入者には必要だろう。
さらには、セカンダリーとプライマリーの持つそれぞれの役割とその相乗効果を知ることで日本のアートマーケットの問題点と実態について理解こともできるだろう。
この本ではこのままでは日本がアートの文化が遅れる国になるかもしれないことを警鐘する同時に、日本のアートマーケットが復活するための処方箋も示している。
また、何も日本人のアートを買うことだけがよいとこの本で言っているわけではない。
海外作家も含めて比較した上でよいアートを買うのがベストなのだ。
ただし、セカンダリー市場が充実している米国、英国、中国の三カ国のアーティストの価格が上がりやすいのは事実であり、投資対象だけであれば3カ国の作家で有力ギャラリーが推している作家を買えばよいかもしれない。
ただしそこには社会貢献としての作家支援の観点がないのは事実だ。
我々はあくまで日本にいるアーティストが一人でも食べていける世界を作ることに貢献すべきであるし、それはアート作品を美術館で観るだけでは実現できず、あくまでアートを購入することで実現できる世界であることを本書では述べている。
さて、日本のアーティストの作品価格は海外のそれと比較すると、日本のマーケットが小さいということで過小評価されていることは間違いない。
国内市場だけに収まっているアーティストはクオリティが高いわりに、海外のアーティストより安価であることは事実だ。
現在日本のアートマーケットの夜明けは近づいており、今後は国内アーティストの作品が資産としての価値が上がっていくことは間違いない。
今はまさにその端緒に立ったばかりであるからこそチャンスであることをこの本では訴えている。
まだ価格が安い今のうちに若手の有望株を買うことのメリットは計り知れないことをこの本を読むことで知ってもらいたいと考えている。