小木曽ウェイツ恭子は武蔵野美術大学を卒業後、英国人の夫と二人の子どもと暮らし、英会話教室を開きながら制作しています。
その作品には家族に囲まれた生活が描かれることが
小木曽ウェイツ恭子Kyoko Waits Kogiso |
大胆な筆さばきで切り取るワンシーン
キャンバスにアクリル絵の具, 72.7x 60.6 x2cm, 2022
小木曽ウェイツ恭子は武蔵野美術大学を卒業後、子育てのためしばらく絵を描くことから離れていました。
しかし制作を再開してからは、ブランクをものともしない確かな筆致で、次々と作品を生み出しています。
部屋の中の家具、窓から差し込む日差し、子どもたちの姿。暮らしと家族の変化を、愛情ある眼差しで描き出します。
穏やかな色の組み合わせと大胆な筆さばきが、何気ない生活のワンシーンを瑞々しく切り取ります。
キャンバスにアクリル, 182 x 145.4 cm, 2018
キャンバスにアクリル絵の具, 72.7 x 60.6 cm, 2020
SOLD OUT
キャンバスにアクリル絵の具, 46 x 53 cm, 2017
91 x 72.7 cm, キャンバスにアクリル絵の具
SOLD OUT
モチーフを反復し、単純化していく
キャンバスにアクリル絵の具, 45.5x 38 cm, 2020
「良い絵」が何故「良い」のか、言葉では説明できないからこそ筆を動かし続けるという作家。
同じモチーフを繰り返し描き、習作を繰り返して理想の作品を目指します。
複雑な描きこみは徐々にそぎ落とされ、最後にはごくシンプルな描線が残ります。
悩んだり反抗したりしながら成長していく子どもたちの姿は、シンプルな色と形として表現されていますが、様々な感情を物語るようです。
31.8 x 41 cm, キャンバスにアクリル絵の具
46 x 53 cm, キャンバスにアクリル絵の具
72.7 x 91 cm, キャンバスにアクリル絵の具
現在の景色に重なる過去のストーリー
キャンバスにアクリル絵の具, 40x 40 x2cm, 2022
作家はある日、義理の妹ルイーズから一通のメールを受け取りました。
彼女がロンドン郊外でパートナーと暮らす家を探していたときに見つけた、ある住宅についての内容でした。
昔建てられたまま改装していない古い家。リビングルームの壁の青い色にちなんで、彼女たちはその家を「ブルーハウス」と名付けました。
ある女性が住んでいたその家は、昔の豊かな生活の名残を残しながらも、部屋中汚れ、ドアのガラスに木の板が打ち付けられ、歩行器が打ち捨てられ、誇りある生活を維持できなくなった晩年を思わせます。
その家の中で過ぎ去っていった時間に、ルイーズは自分の将来を重ねたのです。
作家はそのメールから着想を得て、2020年よりシリーズ「Blue House Project」を制作しました。
古い家の景色に、作家自身の未来の家のイメージを重ね、
モチーフやパターンを反復し、単純化しながら、頭に浮かぶ光景を噛みしめるように描きます。
現在の暮らしの中にある気配と、過ぎ去った時間を慈しむように描かれる作品は、胸にぐっと迫る物語を感じさせます。
65.2 x 80.3 cm, キャンバスにアクリル
キャンバスにアクリル絵具, 45.5 x 38 cm, 2020
80.3 x 65.2 cm, キャンバスにアクリル
小木曽ウェイツ恭子Kyoko Waits Kogiso |
1968年10月生まれ 東京都出身
1993年 武蔵野美術大学大学院美術専攻油絵コース 修了
現在 2児の母 英会話教室を開きながら国立市の自宅にて制作