国内で最大手のアートフェアは「アートフェア東京」である。
ご存知のとおり、ギャラリーが主体のブース型フェアは日本でがアートフェア東京だけで、その他はすべてホテル型フェアや百貨店の軒先を借りたものとなっている。
ホテル型アートフェアは、海外では若手でブース代を払えないギャラリーが共同でホテルを借りてそこで寝泊まりしながら、インテリアにも合うアートを展示するといったものが始まりである。
従い、主催者側からすると参加するギャラリーの数だけホテルの部屋を予約すればよいので、ブースの施工費がかからないので安価に会場費を抑えることができるメリットがあるフェアなのだ。
しかしながら、アーティストの世界観を見せるという意味では、ホテルでは大きなサイズの作品を展示したり壁に穴をあけられないなどの問題があり、きちんとしたギャラリーにとっては不満の残る展示場所となるであろう。
日本の多くのギャラリーはブース代が高いアートフェアに出展費用を捻出できないので、ホテルフェアのようなこじんまりとした展示のアートフェアばかりとなっているのが事実だ。
また、ブース型アートフェアであるアートフェア東京は現代アートに特化したフェアではないことはご存じだろう。
古美術、工芸、洋画、日本画といったアンティーク品を取り扱うギャラリーが入り混じった形態をとっており、海外であまり見ることのない特異な存在だ。
つまり、日本にはブース型では現代アートに特化したフェアが存在しない珍しい国となっている。
また、別にこの状況を打破するということではないのだが、現代アートに特化し、且つインスタレーションなどもきちんと展示してあるブース型フェアの開催についてタグボートは進めている。
タグボート主宰ゆえ、以下のコンセプトで再来年3月の開催に向けて進めていく予定だ。
・オンラインとオフラインが融合されており、どちらからもアクセスできる
・フェア会期が終わってもネットで購入できるなど、通年にわたってサービス提供可能
・アーティストとコレクターが直接触れ合う環境を作る
・インスタレーションや映像、パフォーマンスなど実験的でチャレンジングな展示を増やす
・その場でお持ち帰りが可能なパッキングスペースを作る
・その場でクレジットカードやPaypal、その他キャッシュレス決済を可能にする
とりあえず上記の内容を盛り込んだアートフェアは、利便性を高め、アーティストの世界感とコレクターを結び付け、ファン層を拡大することが目的だ。
来年新設される施設をすでに予約済みであり、この新しい試みを行うことでタグボートがオンラインギャラリーのイメージから脱却していければと思っている。
軸足は一人でも多くのアーティストが食べていける環境を作っていくことであり、実現のための手段としてアートフェアを開催するのであり、これまで日本にないアートフェアを開催したいということが目的ではない。
開催に必要なのは素晴らしいアーティストのセレクションと有力コレクターを集める集客力であり、再来年3月までの時間はあまりないことに今更ながら焦っている。
とにかくどうなるかまだ分からないが温かい目で見守っていただきたいし、実現するまでの過程をこのオンラインサロンで細かく伝えていきたいと思っている。
我々の事業にご協力できる方がいれば、是非ご連絡頂きたいと思う。