中国のアートマーケットは日本の約50倍と言われているが、特に富裕層が多く居住しており、歴史的にも海外からの影響を強く受けている上海がそのマーケットの中心になりつつある。
上海のアートマーケットを象徴するのが、今年11月8-11日の上海アートウィークだ。
一流のアートフェア、ビエンナーレがこの時期に集中して開催されるため、世界中からコレクターや美術関係者が集まってくる。
タグボートはこの時期に、弊社主催のグループ展を上海で開催することもあり、上海に訪問した。
まず最初に訪れたのは、ART021というアートフェアだ。
上海展覧センターという歴史ある建物の中に18ヶ国30都市から103のギャラリーが集まっている。
世界最大のギャラリーであるガゴシアンはなんと村上隆の個展を出したりと、各ギャラリーも成長著しい中国マーケットめがけて、一流どころの作品を出してきている。
全体的にどのギャラリーも売り上げは好調のようで、これまで中国のアートシーンを牽引する都市は北京から上海に変わったことを強く印象付けられた。
もうひとつのアートフェアは上海の外灘の南側にあるWest Bund Art & Design。
West Bund Art & Designは、主催者の招待のみセレクトされた世界43都市から115のギャラリーによるアートフェアである。
確かに出品作品のレベルは高く、倉庫を改装した広大なスペースはインスタレーション、映像など、最新のアートが多く展示されていた。
しかも、規模は昨年より二倍に広がるなど拡大する一方だ。
トップギャラリーは、Art021だけでなく、こちらも同時に出展しており、上海のアート市場の期待が高いことが分かる。
日本からは、オオタファインアーツ、Shugo Artsの2店舗のみと少ないため存在感が薄く、今後このフェアでの出展ギャラリーが増えることが望まれる。
会場すぐ近くにあるオオタファインアートのスペースでは、草間彌生展が開催されており活況であった。
West Bund 地区には、Yuz Museumや龍美術館など、巨大なプライベート美術館が歩いていける距離にあり、これからこの地区がアートで盛り上っていく予感を強く感じた。
David Zwirner ギャラリーはダン・フレイヴィンの作品を個展で
David Zwirner ギャラリーはダン・フレイヴィンの作品を個展で
会場にはジュリアン・オピーの立体