幼少時の体験
山口典子は兵庫県の生まれで、幼いころから「宝塚歌劇」の影響を受けている。
宝塚歌劇といえば出演者全員が女性によるミュージカルだ。彼女はそのパフォーマンスを観た経験を経て、のちの作品制作につなげている。
例えば、KEITAI GIRLといった、演出を含めたパフォーマンスアートは宝塚を色濃く反映した作品といってよいだろう。
多くのアーティストは子どもの頃の感受性が非常に高く、体験したものが深く印象に残ることが多い。
演劇やミュージカルでの色彩、音、動き、表現といったものは、山口典子の感受性を豊かにし、感性を育てることになったのだろう。
山口典子は多様な表現手法を宝塚から取り入れてきた。
舞台の背景、衣装、音楽、照明など、それぞれ宝塚独自の表現方法があり、それを経験したからこそアートの制作時に様々な表現を試みるきっかけやアイデアが得られたのかもしれない。
さらには宝塚の演劇にはストーリーがある。
物語の流れやキャラクターの関係性、感情の動きを理解することで、後のアート制作、特に物語性を持つ作品を制作する際に役立てている。
異なる文化を背景とした演劇を数多く観ることで、その文化や背景に対する理解や興味が生まれ、アート制作時にも新しい視点やアイディアを取り入れることができたのだ。
KEITAI GIRLのパフォーマンスアート
あらゆる技術と技法を自由自在に使う
山口典子は、上記のような影響を受けた後、京都市立芸術大学の大学院を卒業し、さらに京都造形芸術大学の非常勤講師などをしながら、人間の感覚や感情、コミュニケーションのあり方をテーマとするようになっていった。
表現方法は多岐にわたり、アナログとデジタル表現を行き来しつつ、写真、ビデオ、立体、パフォーマンス、ドローイング、マンガ、アニメーション、ときには3Dプリンターやソフトを駆使するなどかなり幅広い。
使用画材や技術等が固定することはない。固定しないというより敢えて多彩な技術を試していっているようだ。
アーティストはひとつの素材や技法で創るだけではなく、新しいことにチャレンジすることで自分自身が磨かれていく。
個々のクリエイティビティというものは、技法を変えても変わることなく、さらに言えば、様々な技法を試すことで、そのアーティストの創造力をどのように発揮するかにつながっていくのだ。
今回からタグボートは初登場である山口典子の、KEITAI GIRLのデジタル版画作品や、コロナ禍をきっかけに制作をスタートしたハニートラップを仕掛ける女性たちのポートレートシリーズを「ART HAKATA」にて展示販売する。
9月20日から会場の販売と同時にオンラインでも販売をするので期待して頂きたい。
山口典子 Noriko Yamaguchi |
タグボートは昨年に続き、今年も福岡に上陸してアートフェア「ART HAKATA」を開催します。
山口典子の作品も今回ART HAKATAで展示されるとともに、オンラインでも同時販売。
■ART HAKATA by tagboat 開催概要
開催期間:2023年9月20日(水)~26日(火)
営業時間:10:00-20:00 *最終日は18時終了
会場:博多阪急 1階MEDIA STAGE ※博多駅直結
入場料:無料
オンライン販売:2023年9月20日(水)12:00より販売開始いたします。
出展作家(五十音順)
AKIKO KONDO、秋山あいれ、アンタカンタ、アンディ・ウォーホル、石川美奈子、工藤千紘、鈴木ひょっとこ、都築まゆ美、三塚新司、村上隆、山口典子
※展示内容は一部変更になる可能性がございます。
【ART HAKATA by tagboat」特設サイト】
https://www.tagboat.com/artevent/ART_HAKATA/