独特の批評精神に満ちたギャグ漫画で知られるしりあがり寿。
時事ネタ、家庭ネタ、サラリーマンネタなど 身近で親しみやすい漫画作品から、哲学的、文学的な作品まで、その守備範囲は驚くほど幅広い。一見、描き殴りのようなヘタウマ絵は、生前の手塚治虫に「この人は実はものすごく絵がうまい人だ」と評され、2作目の「エレキな春」では、真似ができないとまで言わしめた。
2000年に文藝春秋漫画賞、2001年には手塚治虫文化賞・優秀賞を受賞、さらに2015年春には紫綬褒章を受章するなど、その仕事は高い評価を受けている。
近年では、漫画家としてだけでなく、 アーティストとしても活動し、墨絵やアニメーションなどの手法を用いて 、数々の現代アート作品を発表している。
tagboatでは、『ちょっと可笑しなほぼ三十六景』シリーズの版画作品を販売中。2018年に発表した、北斎の「冨嶽三十六景」に戯れてみたパロディ作品「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」を、ぜひお愉しみください。
いたずら心と遊び心満載『ちょっと可笑しなほぼ三十六景』
しりあがり寿は、その独自のユーモアとゆる~いタッチで、ギャグ漫画から社会派の作品まで幅広い作品を世に送り出してきた。このシリーズは、彼が尊敬する葛飾北斎の絵に、ちょっとしたイタズラを加えた作品をほぼ36枚(目標)で構成されている。
浜田兄弟和紙(土佐和紙)にオフセット印刷, 2018, Ed-/20
赤富士のふもとのあたり、あそこは樹海なんだかモショモショ生えてて、一度キレイに剃ってみたかったんです。その方が富士も男前ですよね。
(元絵「冨嶽三十六景 凱風快晴」)
浜田兄弟和紙(土佐和紙)にオフセット印刷, 2018, Ed-/20
浜田兄弟和紙(土佐和紙)にオフセット印刷, 2018, Ed-/20
千年以上の歴史。仁淀川の清流が生みだす「土佐和紙」
浜田兄弟和紙製作所
平安時代から始まった、浜田家の和紙の歴史。現在、その名のとおり兄弟で土佐和紙の伝統を守り、新しい和紙の可能性を探る。「かげろうの羽」と呼ばれる0.03ミリの土佐典具帖紙を漉く技術は、国の重要無形文化財に指定され、それを継承するのは兄の浜田洋直氏のみ。土佐典具帖紙のしなやかさと強度は他に類がなく、明治の頃にはタイプライター用紙として作られたが、現在は美術品の修復紙として世界中で使用されている。
世界一薄い和紙「土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)」
1000年以上の伝統を誇る土佐和紙。中でも、「かげろうの羽」とも称され、世界でいちばん薄い和紙が「土佐典具帖紙(てんぐじょうし)」。文化財の修復等にも使われ、ボストン美術館所蔵の「浮世絵」や書籍の修復、システィーナ礼拝堂のミケランジェロが描いた大壁画の修復等、美術品、文化財の修復の材料としても使われている。