「サンデー・モーニング」とは、ウォーホルがプロデュースしたヴェルベット・アンダーグラウンドの有名なバナナのジャケットに入っている曲の名前です。 このコピー版画が、ドイツ人とベルギー人の若者二人組によって最初につくられたのが1970年でした。
一説にはシルクスクリーンの「版」までウォーホルが彼ら二人組に与えたまで言われていることから後刷りの範疇に入るということで「Warhol After」とも呼ばれています。
現在、世界中に流布している「サンデーBモーニング版」には、ウォーホルが生前に許可または黙認していたとされるもののほかに、没後の90年代以降にプリントされたものも多くあります。
どこにでもある雑誌の写真を使って誰でもマリリンモンローを描くことができる、サインだって買った本人がすればいい、と既成の美術界を挑発したのがウォーホル本人だったわけですから、それを実践してしまった二人組をウォーホルが公然とは否定できなかった哲学的な意味がサンデーBモーニングにあります。
97.8 x 97.8 cm, シルクスクリーン, ed-/3000
97.8 x 97.8 cm, シルクスクリーン, ed-/3000
Da Vinci’s “Mona Lisa” (double black)
63.5x 89 cm, シルクスクリーン, ed-/2500
Queen Elizabeth II of The United Kingdom
96.5x 76.75 cm, シルクスクリーン, ed-/3500
50.2x 39.7 cm, シルクスクリーン, ed-/1000
89x 63.5 cm, シルクスクリーン, ed-/1500
92x 91.5 cm, シルクスクリーン, ed-/3500
アンディー・ウォーホルはアメリカのポップアート界において最も中心的な存在として活躍し、1960年代のアートシーンを輝かせました。彼の多くの作品はアメリカ文化とアメリカなるものの概念をテーマにしました。彼の選んだ紙幣、ドルマーク、食料品、有名人、ニュース写真などは、彼にとってアメリカの文化価値を代表するものでした。たとえばコカ・コーラは「コークはいつでもコーク。大統領の飲むコークも僕の飲むコークも同じだから」というわけで民主主義社会の平等性を表すものでした。
こうしたポピュラーなイメージを使い、彼は20世紀アメリカの文化的アイデンティティーを表現したのです。世界中の展覧会に参加しただけでなく、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ロンドンのテートモダン、パリのポンピドューセンターなどの美術館にその作品がコレクションされています。日本の東京都現代美術館でも、大規模な回顧展が開催され、絵画、版画、インスタレーション、ドローイングなどにより彼の多彩な芸術活動が紹介されました。