石井七歩は1991年東京生まれ。東日本大震災が発生した2011年にアーティストとしてのキャリアをスタート。
村上隆のギャラリーHidariZingaroのグループ展でのデビューを皮切りに、多方面での活動を展開してきました。
4月にtagboatの人形町ギャラリーにて個展「IDEAL RED」開催を予定している作家の、これまでの作品を中心にご紹介します。
石井七歩 Naho Ishii |
自然と文明社会の対比
カンバスにインク, 194x 112 cm, 2022
石井七歩は大震災が発生した2011年、大地が持つ圧倒的な力に直面し、自身が暮らす文明社会の脆さに慄いたといいます。
このとき抱いた思いをきっかけに、言葉を凌駕し直観的に訴えかける視覚的表現にのめりこんでいった作家。
フラクタル構造と都市や社会との融合を描きたいという欲望が加速していき、徐々に世界観が深まっていきました。
そこには、常に崩れながら変化しつづけ、破壊と再生を繰り返していく都市で生きる人間と世界への、深い愛情のまなざしがこめられているのです。
紙にアルコールインク・ペン, 73x 51 cm, 2021
SOLD OUT
キャンバスにインク, 40x 40 cm, 2021
ミクロとマクロを行き来する視点
「TAGBOAT x 百段階段」展示風景 (ホテル雅叙園東京 百段階段, 2020)
石井七歩は現代社会の構造と、宇宙の本質的な構造とを重ね合わせた視点を、様々なメディウムを用いて表現しています。
増殖し続ける細胞や、幾重にも重なる複雑な建造物の姿は、人間が生きる世界の根源的な謎に迫るメッセージを発しています。
緻密に描きこまれた線や、生き生きとした鮮やかな色彩が駆使された表現は、見る者を惹きつけてやみません。
木材・アクリル板・写真にガッシュ, 40x 60.3 x1.8cm, 2020
木材・アクリル板・写真にガッシュ, 40x 60.3 x1.8cm, 2020
SOLD OUT
キャンバスにアクリル, 40x 40 x3.5cm, 2022
制作を通して追い続けてきたもの
個展でテーマに据えられるのは、これまでの作品でも追求してきた「赤」。
作家は、私たちの体内をめぐる血液が持つこの鮮烈な色について考察し続け、太古の昔に世界を形作ったものへと思いを馳せます。
過去から現在へ、そして未来へとつながっていくものを、確かな手触りを求めて掴み取っていくのです。
4月6日(木)よりダクボート新ギャラリーにて個展「IDEAL RED」を開催するほか、4月14日(金)~16日(日)開催予定のtagboat Art Fair 2023に出展予定。
最新作を是非会場でご覧ください。
パネルにアクリルガッシュ, 116.7x 91 x2cm, 2021
キャンバスにアクリルガッシュ, 40x 40 x3.5cm, 2020
SOLD OUT
キャンバスにアクリルガッシュ, 40x 40 cm, 2020
石井七歩「IDEAL RED」
2023年4月6日(木) ~ 5月6日(土)
営業時間:11:00-19:00 休廊日:土日祝
入場無料
会場:tagboat
〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町7-1 ザ・パークレックス人形町 1F
※4/14(金)・4/15(土)はtagboat Art Fair 開催のため休廊日とさせていただきます。
この度、人形町に新設したtagboatにて現代アーティスト・石井七歩による個展「IDEAL RED」を開催いたします。
1991年東京生まれ、東日本大震災が発生した2011年に芸術家としてのキャリアをスタートさせた石井七歩。村上隆のギャラリーHidari Zingaroのグループ展でデビューを果たし、その直後より美術館での企画展や芸術祭に参加するなど意欲的に活動の幅を広げています。
現代社会の構造と、宇宙の本質的な構造とを重ね合わせた視界を様々なメディウムを用いて表現。都市化する人間の構造について熟考し疑問を呈しつづけています。
くりかえし増殖する細胞や幾重にも連なる四角の建築物がどこまでも広がっていくように彼女の作品からは強い生命力を感じ取れます。
タグボートでは2度目の個展となる本展では、新作を多数展示・販売いたします。緻密かつ圧倒的な存在を放つ作品をぜひご高覧ください。
CONCEPT
この血液の赤は、いったいどこから来たのだろう。
血の赤は赤血球の赤だ。そこに含まれるヘモグロビンの赤だ。ヘモグロビンは鉄を中心にできている。すなわち、血の赤は鉄の赤だ。
鉄はどこから来たのだろう。地球の重さの3分の1は鉄だ。ここは鉄の惑星だ。
どうやらこの宇宙では、1000万光年もの広い範囲で、鉄の存在する割合がほとんど均一なのだという。ばらつきが全然ない。それはなぜなのか。
宇宙がもっともっと小さかった100億年前、星たちの中で鉄(重元素)がつくられた。その星たちが死ぬときの超新星爆発によって、鉄は宇宙中にまき散ちらかされていく。だから、いまの宇宙に広がるほどんどの鉄は、その時代に大量に散らばったものらしい。100億年前に生まれた鉄が、膨張する宇宙の中で、よくかき混ざぜられていったのだ。
むずかしくなってきた。じゃあ今この目に映る鮮烈な赤の感覚は、100億年前からやってきたものなのだろうか。私の中の赤や、きみの身体の中の赤は、100億年前の星たちの死から、ずっとつながっているのだろうか。
かように赤は特別だ。
ここ5年の私はずっと、空想的な赤、理想的な赤、観念的な赤を追いかけている最中だ。私は追っているその赤に『IDEAL RED』と名付けた。この展覧会は、その中間発表会である。
石井七歩
tagboat Art Fair 2023
2023年4月14日(金)13:00-19:00 プレビュー
2023年4月15日(土)11:00-19:00 パブリックビューイング
2023年4月16日(日)11:00-16:00 パブリックビューイング
〒105-7501
東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
東京都立産業貿易センター 浜松町館 2F,3F
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
石井七歩 Naho Ishii |
1991年東京生まれ。2011年、村上隆のギャラリーHidariZingaroのグループ展でデビュー。その直後より美術館での企画展や芸術祭に参加、現在は東京を拠点にインディペンデントに活動中。
フラクタル構造を持つ形状にこだわりを持ち、常に作品に取り入れている。都市化した人々の在り方と、根源的な人々の欲望とのあいだにある差異や対比について、様々な視覚表現を用いて考察しつづけている。
主な個展
2016年 Broken Tokyo(中銀カプセルタワー/銀座)
2018年 Her name is Metropolis(阪急MEN’S東京/銀座)
2020年 ESCAPE (tagboat gallery /銀座)主なグループ展
2011年 堂島リバービエンナーレ(堂島リバーフォーラム/大阪)
2012年 超群島 HYPER ARCHIPELAGO— ポスト3.11のアーキテクト/アーティストたちの世界観(EYE OF GYRE/表参道)
2012年 超群島-ライト・オブ・サイレンス(青森県立美術館/青森)
2012年 アーティスト・アジト (Hidarizingaro/東京)
2012年 アーティスト・アジト2(GEISAIgallery/東京)
2012年 されど少女は虚空の世界で(FUMA Contemporary Tokyo/銀座)
2013年 VOCA展(上野の森美術館/上野)
2013年 秋葉原モンパルナス(GEISAIgarally/東京)
2013年 Intolerance World(GallaryPONCOTAN/札幌)
2018年 TOKYO ILLUSION 東京幻境日本當代藝術展(台中軟體園區Dali Art藝術廣場/台湾)
2018年 ブレイク前夜展(Bunkamura Gallary/渋谷)
2019年 ドリス ヴァン ノッテン主催 INTERPRETATIONS, TOKYO−17世紀絵画が誘う現代の表現(原美術館/東京)
2019年 アート解放区(TENOHA代官山/東京)
2020年 TAGBOAT×百段階段 展(目黒雅叙園/東京)
2020年 代官山NOEL アート解放区(TENOHA代官山/東京)
2021年 CORE part2(tagboat gallery /銀座)
2022年 アート解放区 (三越前福島ビル/東京)
2022年 和のあかり×百段階段2022展(目黒雅叙園/東京)
2022年 CORE part12(tagboat gallery /銀座)主な芸術祭
2017年 六本木アートナイト(六本木/東京)
2018年 道後オンセナート(道後温泉街/愛媛)主なアートフェア
2021年 TAGBOAT ART SHOW × 阪急MEN’S TOKYO(阪急メンズ東京/東京)
2022年 tagboat Art Fair 2022(ポートシティ竹芝/東京)
2022年 Art Fair GINZA(銀座三越/東京)
2022年 Art Fair HAKATA(博多阪急/福岡)主な受賞
2012年 GEISAI#16・飯田高誉賞
2017年 Independent Tokyo 2017・池内務賞その他
2018年 装丁画 ティモシー・モートン著『自然なきエコロジー 来たるべき環境哲学に向けて』
2019年 装丁画 河本英夫, 稲垣諭 著『iHuman:AI時代の有機体-人間-機械』
2020年 挿絵 雑誌VERY連載「コロナ禍のメディアリテラシー」メディア出演
2011年 TOKYO FM「エフエム芸術道場」
2017年 BSフジ「ブレイク前夜」特集出演
2017年 朝日新聞デジタル特集「500年後に友達を作りたい」 美大を3か月で中退後、街を描き続ける20代女性アーティスト
2019年 BSテレ東「ファッション通信 #1604 WEST MEETS EAST〜来日デザイナーズスペシャル〜」
2022年 日本テレビ「超無敵クラス」出演
2022年 テレビ朝日「かまいガチ」作品出演