台湾での展覧会が会期を終了し、タグボートは4名のアーティストと共に、台中での撤収作業を終えた。
1日かけて撤収し、翌日の朝に最終確認を終えた我々は台中を発ち、台北へ向かった。全員がゆったり座れるバンをチャーターし、半日かけて以下12のギャラリーを訪れた。
1)耿畫廊Tina Keng Gallery
2)白石畫廊Whitestone 内湖店
3)索卡芸術 Soka Art
4)尊彩藝術中心LIANG GALLERY
5)秋刀魚芸術中心Fish art center
6)谷公館MICHAEL KU GALLERY
7)誠品畫廊 ESLITE GALLERY
8)大未來林舍畫廊 Lin & Lin Gallery
9)亞洲藝術中心| Asia Art Center
10)也趣藝廊- Aki Gallery
11)Chi-Wen Gallery
12)白石画廊忠孝店Whitestone gallery
上記の内1)〜5)のギャラリーは内湖という台湾の開発区に位置している。東京でいうとお台場のような新しいエリアの広々とした建物の中に、台湾のトップギャラリーの一部が移転してきていた。
日本よりも台湾では明らかに現代アートマーケットが成長しており、コレクターを中心とした環境が整いつつある。内湖は地下鉄の駅が近くにできたことで、中心地より安く場所を確保できる。そこにギャラリーが密集し、コレクターがギャラリー巡りをしやすくなっているのだ。
それぞれのギャラリーは広い空間を持っているため、大きな作品やインスタレーションなどを複数展示している様子が見られた。
どこも天井を高くとっており、さもなければ複数階にわたって展示スペースを所有していた。
大手ギャラリーAki Galleryでは、3階建ての建物の部屋全てを使って個展を開催していた。
日本の蔦屋書店のモデルとなったとも言われる誠品書店の本店ビル5階では、金氏徹平の個展が開催されており、日本では実現が難しそうな広い空間を使っていた。
Chi-Wen Galleryでの展示は映像作品で構成されている。
日本では現代アートとしての映像をコレクションすることがまだまだ浸透していないためか、映像自体が展示されることが少ないが、台湾ではこのように映像作品やインスタレーションを販売することが当たり前だ。
台湾のギャラリーは台湾だけでなく中華圏を始め世界の顧客をターゲットに入れており、アーティストもごく自然と世界標準の舞台を見据えている。
また台湾では現代アートが経済の一部として認知されているため、富裕層が積極的にアート市場に介入している。
日本でも、今後遅ればせながらもこのような動きになっていくことを望む。