タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
アーティストになったきっかけ、作品制作方法、作品への想いなど、普段は聞けないようなお話が満載です。
毎週更新していきます。ぜひご覧ください!
VIKI |
小さいころから絵を描くのが好きでしたか?
好きでした。しかし、絵を描く行為というのは口下手だった僕にとって、親や友達、社会とのコミュニケーションの手段だったのかもしれません。自分の絵をコミュニケーションの切符のようにしていた記憶があります。絵を描いていると自然と人が集まってきたり、話しかけてくれました。
美術の道に進むことになったきっかけは?
小さいころからなんの根拠があってか、画家以外にはなれないと思っていました(笑)
10代後半、芸能のお仕事をしていたときに、自分自身がアート作品(=パフォーマンス)であるという感覚を持ちました。小さいころから絵をコミュニケーション代わりにしていたのもあって、芸術に携わることが社会で生きていける手段だと思ったからです。上京したときに、知らないことが多すぎると思い、東京藝術大学への受験勉強がいまでも一番大きいです。合格後は、そもそも美術とかアーティストってなんだろうと考えて、今はアーティスト=生き方として捉えています。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなときですか?
今の表現形態が確立したのは2013年でした。ライブハウスで感熱紙を貼ったキャンバスとアイロンを持って、「電源だけ貸してください。」と言いライブペイントをしていました。感熱紙は熱を与えると黒くなる性質があり、その場も汚さずパフォーマンスにはうってつけでした。いくつかのバンドが出演するいわゆる対バン形式のイベントで、バンドとバンドの転換時に10分くらいライヴハウスで流れるBGMを利用してライブペイントをしていました。それからレシートという面白いモチーフに行き着き、現在に至っています。
白の訪問者パフォーマンス風景
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?
期限ギリギリまで制作はしています。小さい頃からそうなのですが、多少追い詰められた方が、余計な力が抜けて結果良い作品になることが多いです。自分の中では未完成なのですが、手が込んでいれば良いと言うわけでもないので、未完成の美くらいがちょうど良いのかな、と思っています。
作品の制作手順や方法などを教えてください。
制作のおよそ8割はアイディアやコンセプトを練ったり、素材集めに費やします。文字のドローイングが多いです。分析したことをマインドマップ化し、それから一気に作業に入ります。作業自体はぶっつけ本番が多いです。それくらいのラフさが僕には合っています。そこにあらわれる偶然性や身体性が面白い事故を起こすときがあるので、それがまた成長に繋がります。
現在、力を入れて取り組んでいること
大きく3つあります。
1、超日常的なものごとに気付くこと
日常的すぎるが故に、私たちは当たり前の存在を見つけることは難しいと思います。たとえば、2 0 2 0年現在マスクやトイレットペーパーなどの買占めは1年前はあったでしょうか?人間関係でもそうです。さっき話していた人は、明日も話せるとは限りません。日常的なものが非日常的なものになったときの感覚は、何かを生み出せるエネルギーになります。
2、コミュニケーションの在り方を考える
他者と話したり、身体を触れあうことだけがコミュニケーションとは限りません。自身と話すこともひとつのコミュニケーションであると考えます。いわゆる自己分析というのが近いかもしれません。しかし、自己分析は自分ひとりでは成し得ません。接している他者や時間、場所も関係してきます。自己を他者として見つめることを意識しています。
3、欲しいものを具現化するために制作する
人は空に自由を求めて飛行機を発明しました。遠くの人と繋がりを感じたいと思い電話を発明しました。アートもこれに近いと思います。思い描いた世界を絵に描くことはできますが、実際はキャンバスの上に絵の具が載っているだけです。しかし、その作品を各々が実感することで世界を築けます。不可能はいくらでも可能にすることができるのがアートの強みです。こんな世界や景色、欲しい、入りたい。そういった欲を大事にしています。
生産_大人しい刺激
将来の夢、みんなに言いたいこと
日本には、アーティスト=職業という意識が根強く感じます。また、私には絵心がないから、とか、美術はわからない、などと耳にします。しかし、子供が描いた絵を絵心がないし美術をわかっていないから、と邪険にするでしょうか。彼らはそんなこと考える前に手を動かして、何かを伝えています。それがアーティストだと僕は思っています。作品のこたえ、正解や上手い下手よりも、「好きだな」「ちょっと苦手だけどなんでかな」「よくわからないけれど、私はこう思う」そういったアートから導き出された自分なりのこたえを大事にできる社会に携わりたいです。
2016 個展【Madonna】~ 聖なる母槽~ (DesignFestaGallery 原宿/東京)
2017 二人展「Receipt × Robot」(笹塚ネバーエンディングランド/東京
「SICF18」(スパイラルホール/東京)
2018 「忍町アートギャラリー」( 牧禎舎/ 埼玉)
「UNKNOWN/ASIA 2018」 曽根 裕 賞 (ハービスHALL/ 大阪)
「ユトリエ」(博多阪急/ 福岡)
横浜髙島屋(髙島屋6階A エスカレーター前/神奈川)
2019 「第14回 TAGBOAT AWARD」入選
「第2回アートハウスおやべ現代造形展」入選 (アートハウスおやべ/富山)
「SICF20」(スパイラルホール/東京)
個展「 TSUNAGU GALLERY くらしの記憶」(国際紙パルプ商事1Fエントランス/東京)
「六本木アートナイト2019」オープンコール・プロジェクト (六本木ヒルズウエストウォーク2F/東京)
「アートオリンピア 2019」学生部門入選
「AFAF AWARD 2019」入選(福岡アジア美術館/福岡)
「IndependentTokyo2019」染谷琢 賞(ヒューリックホール/東京)
「コミテコルベールアワード2019」(東京芸術大学 大学美術館本館/東京)
「SHIBUYA ART AWARDS 2019」入選(渋谷区役所15F スペース428/ 東京)
他、TV、新聞等、多数出演