ナカムラトヲルは宮城生まれ。30歳から独学で絵を描き始めました。
東京を中心に活動しアパレルとのコラボや企業へのグラフィック提供も行っています。
ポップでありながらも抽象的な作品には、ストリートやカートゥーンの要素がミックスされた、オリジナリティあふれる世界が広がります。
ナカムラトヲル Toru Nakamura |
ー絵を描き始めたのはいつ頃ですか?きっかけはありましたか?
30歳のころに働いていた飲食店で、すごく目の印象的な女の子がアルバイトで入ってきて。
その子の目を写真で撮らせてもらって、ボールペンで描き始めたのがスタートですね。
だいぶ人生が変わっちゃいました(笑)
ーアーティストを目指そうと思ったのはいつ頃ですか?
今だにアーティストとか、何者かを「目指そう」と思っては絵を描いてはいないかもしれません。日々淡々と制作を続けてるという感覚です。
ー作風が確立するまでの経緯を教えてください。
抽象画など、いわゆる訳の分からないグチャグチャの画面から始まり、
自分でもなんだかわからないけれど画面上で偶然生まれる絵の具の感じが気に入ってたのですが、これをもっとわかりやすく面白く表現できないかなと考えてました。
そして、これらをパーツに分けて実際の花や人物などのモチーフに使ったら面白いかなと思い最近の作風につながる作品ができ始めて次第に全体的にカチッとした作品に変わってきました。
自分自身が自分の作品に飽きやすいので今後また作風は変わって行くと思うのでまだまだ確立はしてないです…。
ー作品を発表し始めたのは何時頃ですか?発表するまでにどういった経緯がありましたか?
最初は2013年頃にspectrum Miamiに作品を出しました。
当時なんとなく自分がいいなと思う作品が完成して、その時ちょうど何で作品募集してるのを知って、という感じでしたね。絵を描き始めて3年目くらいだったと思います。
ーアーティストステートメントについて語ってください。
今年から始めたFake Faceシリーズは「本当の自分の顔は?」をテーマにしています。
さまざまな情報やコミュニケーション機能を持った現代では、直接的に人と会わずにコミュニケーションが取れ、いろいろなコミュニティに参加し自分を発信することが当たり前になりました。
複数の顔が出来上がり、使い分けていく中で、本当の自分の顔はどこにあるのか?
誰しも少なからず考えた事があると思います。
そういった自分への問い掛けのようなものをカラフルかつポップで抽象的な要素で構築し、アート作品として成立するよう制作しました。
ー作品はどうやって作っていますか?技法について教えてください。
基本的にはアクリルで制作しています。
木製のパネルはジェッソで木の質感が消えるまで数回重ねています。
絵の具はもちろんですが、マスキングテープも僕の作品になくてはならないアイテムです。
僕は絵を【描く】というより埋めて行くという感覚があって、最近の黒いラインの一連の作品はまず全体的なバランスをとるためシルエットをまとめてマスキングします。
その後に顔や腕、服、髪などのパーツを埋めて行きます。
もともと独学なので、やってることはいたってシンプルです。
ー作品制作で困難な点や苦労する点を教えてください。
マスキングテープのカットですね。特に曲線部のカットは神経使います。
それと各パーツが接する部分の絵の具の厚みやパーツが重なり合う部分はかなり気をつかいます。
ー今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
今後はもっと良い意味で作品を壊していかなければと思っています。
自分の面白いと思う要素を詰め込んで常に変化していく作品を作りたいです。
まだまだやりたい事が頭の中に沢山あります!
ナカムラトヲル Toru Nakamura |