谷口シロウは1959年名古屋生まれ。東京造形大学絵画科卒業。

シンプルで温かみのあるイラストで広告、雑誌、書籍、サイト、 キャラクターデザインなどを数多く手掛け、イラストレーターとして、アーティストとして第一線で活躍し続けています。
音楽活動やシルバーアクセサリーデザインなど、多岐に渡った制作活動にも注目が集まっています。

谷口シロウ Shiro Taniguchi ▶ 作品ページはこちら

ーご自身で音楽活動をされるほか、タンバリンを支持体にした作品を制作されるなど、音楽を活動に取り入れられています。音楽は活動にどのような影響を与えてきましたか。

美術は音楽にかないません！

音の粒は身体に刺さり、ズンと心に戦慄を覚えます。

美大時代はバンド活動のウエイトが大きく、全身音に浸った後

火照った身体のエネルギーを発散する感じで絵で描いていたかもしれません。

今も必ず横には音楽がいます。

音楽に嫉妬しながらこれからもじれったい旋律を奏でるのでしょう。

ー「ヒゲ女装」の活動を始められたきっかけを教えてください。その後、活動を通してどのような変化がありましたか。

かいつまんで言えば東日本大震災の年にアートディレクターの方と作り上げる

ポスターの企画展があったのがきっかけです。

レトロ調の部屋で髭を生やした女装の自分の周りにイラストを散りばめた作品で

暗い世の中にクスリと笑いの薬を提供し、

心を安らかにしてもらって終わるはずだったのですが、

その格好で「心の開放」と「差別、偏見なき世界」をテーマに外を歩き始め、

人々と触れ合い語らいしているうちにイベントに誘われたりして、なぜかいつの間にか

一番苦手な似顔絵を描くようになり、妄想ヌードを描くようになり、

イベントで知り合った方などから仕事を頂くことも多くなりました。

人生ってわからないものですね。

ーこれまでの「アート解放区」では巨大な壁画制作をしていただきました。また似顔絵を描く活動をされるなど、絵を描くことにとどまらない独自の発想で様々な表現活動を展開されています。どのような思いが軸にありますか。

根無し草でふわふわふらふら、未だに自分のスタイルが定まっていませんが

毎回初めて絵を描くように新鮮な気持ちで描けているのは良いのかもしれません。

軸ではないかもですが本当は子供のように純粋な気持ちで描けたら本望ですね。

…そうだ、これからはそれを追求しよう！追求したらダメなのか？

似顔絵、ヌードは毎回その方との生のコミュニケーショしながらの一発勝負セッションが楽しく体調悪い時でも宇宙のパワーと融合して元気になる素です。

壁画は大きく身体を動かすので、また違った感覚が身体や心を開放してくれます。

汗も絵の具に混ぜて感涙に変えよう！

ー好きな作品やアーティスト、影響を受けている人物はいますか。その理由も教えてください。

バスキア、クレメンテ、大竹伸朗、ニューアート系中心に昔はいろいろ好きな作家がいましたが今はこの人！という感じではなく他ジャンル、能とか狂言、バレエや何気ないサイトの一コマからヒントを得ることが多いかもです。

世界は広く宇宙は無限、あまりにも情報過多な現在において、自分の小ささを知れば知るほど、些細な文庫本の匂いや自然の虫たちなども愛おしく、どこにでも小さな刺激から大きな衝撃までカオスな中に落ちている。それを楽しむかな.と。

ー神話的な世界観はどのようなきっかけで生まれましたか。

なぜか中世とか古代ギリシャが気になり、神話的な絵も描きますが、どうしてか最近分かりました。

どうやら前世がローマの騎士であり、左利きの盲目の画家でもあったらしいのですが、矢で胸を打たれ貫通して戦死したらしいです。

ーコロナ禍を経て変化したことはありますか。

いろいろありましたが悲観的でがっかりな事が多かったですよね。日本がどのくらい世界から遅れ、加速度的にダメな国になっているか。

どうにもならない大きな力が世界を支配していること！それを打ち破るにはアトム、ガンダム、アナキズム、３つのムムムパワーでも叶わないこと。

それでも自分の終わりまで可能な限り楽しんで虚無や権力と闘っていかないといけないこと。

古傷の胸は痛みますが、今世でももう少し頑張って喜びある修行をしてゆきます。

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1959年　名古屋生まれ。
東京在住。
愛知県立旭丘高校　美術科　卒業。
東京造形大学　絵画科　卒業。
企画　デザイン会社2社　4年勤務後
フリーイラストレーターに。
日本グラフィック展、イラストレーション展
リキテックスビエンナーレ.など入選。
ヤングジャンプ「金の熊賞」佳作賞。
ソニークリエイティブグランプリ　銅賞
FROM A The ART 日本展優秀賞
(フランス　マルセイユ　ショイヤ宮にて作品展示)
第2回ダ・ヴィンチ　キャラブック大賞　銅賞など
個展17回　グループ展多数。
キラキラハッピー似顔絵やバンド(ドラム担当)、
心の開放と差別、偏見をなくす為の「髭女装」
活動も行なっています。