タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
作品制作にまつわるあれこれや、普段は聞けないようなお話などが満載です。
毎週更新していきますので、ぜひぜひご覧ください!
描くのが好きでしたか?
絵が上手な子供ではありませんでしたが、好きな方だったと思います。
絵画教室に通いたいと両親にお願いした事もありました。
ですが、
『絵は教わるものではない。誰かに習うと感性が鈍くなる』
との父親の主張にて、残念ながら、その望みは叶いませんでした。
小学生の時に、毎日新聞社のコンテストで賞を頂いたことがあります。
振り返ると私のコラボレーション第一弾は実の母親との共同作品でした。
美術のきっかけ
気づいたら、Maskを作っていました。
手術室看護師として働いた後、国内外でメイクアップアーティストとしてキャリアを積みましたが、密かにアートという道に憧れがありました。自分のオリジナルの何かを生み出したい衝動が、Maskを作るというカタチになって、溢れ出したんだと思います。
看護学生時代の小児科実習の時の写真
”アートは特別に選ばれた人間がするもの”
ずっとそのようなイメージがあり、アートとは無縁の道を歩んでいた私が、いまさら選択できる道ではないと、どこかで諦めようとしていましたが、タグボートギャラリーの徳光氏より、『美大卒でない作家の作品に魅力を感じる』とのお話を伺い、目からウロコ。それからは、アーティストとして表現や発信がしたいという自分を、素直に認めることができるようになりました。
初発表
一体この作品が何者なのか?自分でもよく分からなかったので、まずは世界的に有名なフォトグラファーであるTim WalkerとRankinにコンタクトをとって、Mask作品を見てもらうためにロンドンまで行って来ました。
”これはロンドンでウケる”
とのお言葉を頂きましたが、なにやらザワザワした感覚があり、その事を写真作家の高倉大輔氏に相談すると、とあるアートコンペの出展を勧められました。
それが『2017年 Unknown Asia Exchange』でした。
そこでMask×Dance×Photoを融合させたインスタレーション作品を発表。審査員賞をいただき、これをキッカケに本格的に自分の表現をアートとして、もっとカタチにして、広めていけるのでは?と可能性を感じました。
スケジュール。
決まった方法があるわけではありません。
きまぐれ重視なので、常に数作品を同時進行だったりもします。
コンセプトをじっくりと吟味してから、作品を作ることもあれば、
閃きと衝動から、素材と遊び戯れ、実験しながら作品をカタチ作る、
そんな工程の後からコンセプトが追いつく事もあります。
感覚が鈍らないように、作品のこれからの動きが止まらないように、基本的に目測のみで制作しています。
そして、時間と重力に大部分をゆだねるように心掛けています。
力を入れている事。
現在は、
”ショーと連動させた個展”
”回遊するインスタレーション作品”
”ダンスが音を生み出すアートパフォーマンス作品”
”映像とコラボレーションしたメディアアート作品”
などなど、
鑑賞者も一緒に体感できる新しい形態のプロジェクト的な作品にも力を入れています。
従来のアートの方法に拘らず、新しい表現や、その発表の場をどんどん増やして行きたいです。
近い未来は、
『魅力的なトークショー』ができるようになる。
私のスピーチが下手くそ過ぎると、笑いのネタになっています。
どうやら、その下手くそさがスパイスになっているようなので、良い味を残したまま、もう少し伝わる話し方を身に付けたいです。また文章による表現にもチャレンジしたいので、本の出版にもとても興味があります。
夢、みんなに言いたい事。
趣味もなく、特技もなく、毎日がひたすら退屈で、世の中の矛盾や理不尽をもどかしく感じながらも、ただ現実逃避をしている、そんな子供でした。
最近は表舞台に出る機会も増え、凄い人だと褒められる事もありますが、実はいまだに左右もおぼろげな、そんな不器用で迷子な人間です。
なので、何かに特化した人や、何かに没頭して打ち込んでいる人に強い憧れと尊敬があります。人生において本当に没頭できる何かを見つける事は簡単な事ではないかもしれませんね。
その私なりのひとつの答えが、アートでした。
オリジナルの表現をもち、仲間とともに活動する。そして、それを浸透、循環させる。
その動きの中から、今までにない新しい枠組みや価値観を生み出すことが、私の一つの展望です。今までも、これからも、ご縁を繋いでくださった皆様に感謝です。
今後、答えはどんどん変化していくかもしれませんが、常にフットワークを軽く、私なりに没頭できるアートをずっと続けていきます。
手術室看護師からヘアメイクアップアーティストへ転身し、その活動の中でヘッドピース&マスクを作りはじめる。不可思議でスタイリッシュ、そしてミクロな視点が、可愛さと毒の入り混じった独自の世界観を作り上げている。
2001年 ヘア&メイクアップアーティストとして活動開始
2004年 渡米
2007年 帰国
2017年 Unknown Asia Art Exchangeにて審査員賞受賞
2018年 SICF19入選
Dali art center Tokyo illusion参加
Akashi Head Art Photo Contestステージクリエイト賞受賞
広告、映像、イベントを中心にフォトグラファー/イラストレーター/ファッションデザイナー/パフォーマーなどと意欲的なコラボレーション作品を展開し、活躍の場を国内外に広げている。
http://www.limopiece.com