タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
作品制作にまつわるあれこれや、普段は聞けないようなお話などが満載です。
毎週更新していきますので、ぜひぜひご覧ください!
小さいころから絵を描くのが好きでしたか?
はい、好きでした。それと、モノを並べる癖があり、しりとりも好きでした。昆虫をはじめとして生き物全般と触れ合うことが大好きな子供でした。
美術の道に進むことになったキッカケは?
美術について、最初は図書館に通うような根暗な奴がやるもんだと思っていました。生き方に疑問を持って大人への不信感で一杯だった高校生の時、美術の先生にお前みたいなやつが美術をやるんだよ!と言われて見方が変わりました。今ではARTも図書館通いも非常に知的で意義深い行為であると思っています。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなとき?
大学1年次に学内で行う展示です。
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?
朝起きて食事をしてから、20時頃まで作業します。昔から朝型です。基本的には22時か23時に寝るのが好きです。お肌や身体の調子が違うように思います。
作品の制作手順など
鍛造作品の場合、鉄パイプをひたすら潰して切断し溶接し断面を磨いて溶かす場所を溶かして表面処理し、再度断面を鏡面まで磨きます。場合によってはその上から塗装をしたりもします。断面がない場合は磨き行程がありません。鉄が錆びていくことに我々も含めた存在の回帰や還元を託しているので、錆で仕上げている場合にはその朽ちていく時間までを作品としています。
木彫作品の場合、無垢のブナ材キューブを時間の許す限りひたすら透かしていきます。その後、できたパーツを平面作品やアクリル板に接着したり、木彫作品として接着し仕上げます。
平面作品の場合、まずはパネル制作から始め順次下地から表面処理へ移行します。色鉛筆の場合は描いたところをひたすら塗り潰していきます。アクションとして色を扱う際は気持ちが高まったところで一気に仕上げます。
いずれの手法でも”身体性と時間の蓄積”という観点から行為の選択を重視しています。行為の結果として生成された作品から、個々の生や社会において軽視されつつある「丁寧さ」について改めて考え直すきっかけを生み出せたらと思っています。
現在、力を入れて取り組んでいること
海外での活躍を視野に入れながら、常に新しいビジュアルを模索しています。鉄や木といった素材を使っていますが、他の素材にも挑戦しています。自身が工芸出身なので、工芸的な要素をいかに現代アートに落とし込むかということも日々考えています。工芸と現代アートは完全にジャンルが違うものとして捉えられていますが、工芸的な美しさを持つ現代アート作品があっても良いと思っています。自身のルーツを生かした新しいアートを提案していきたいです。
将来の夢、みんなに言いたいこと
応援をしてくださる全ての方へ。
いつも応援ありがとうございます。皆様の応援のおかげで、台湾やNYに活躍の場を広げることが出来ました。今後とも、より一層の努力と研鑽を積んで参りますので、温かく見守って頂ければ幸いです
アーティストの皆様へ。これまで会った方もまだ会っていない方も、共に日本のアートシーンを盛り上げるべく邁進しましょう。これから世界の中で日本人の絶対数が減っていく中、私たちには60年代のアートシーンのような連帯が必要になってくるような気がしています。そんなことをふまえまして、次回お会いできましたら是非とも酒を酌み交わしつつ熱い交流を築いていきましょう。
将来の夢は、もちろんアーティストとしての成功ですが、私は成功とは社会における発言の拡大であると考えています。それはもしかしたらどこかで年収の拡大とは完全に比例しないかもしれませんが、身近にいる大切な家族や友人を大切にしながら自らの歩むべき道を猛進していきたいと思っています。気合と根性20000%で。
1984年 埼玉県生まれ
2011年 東京藝術大学美術学部工芸科鍛金研究室?卒業
2014年 東京藝術大学美術学部工芸科鍛金研究室修士課程?修了
●グループ展
2009年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009 克雪dynamoアートプロジェクト 山本浩二CAPフロギストン メンバー (仙田小学校、新潟)
2009年 Light Feeler -触覚により「見る」- (ギャラリー空、東京)
2012年 第12回 KAJIMA彫刻コンクール 入賞作品展 (鹿島KIビル・アトリウム、東京)
2016年 第11回 TAGBOAT AWARD 入選者展(世田谷ものづくり学校 ⅡDギャラリー、東京)
2016年 第11回 日本現代藝術 Tagboat Award 特別展(Galerie F&F、台北)
2016年 SHIBUYA STYLE vol.10 (西武渋谷店、東京)
2017年 THE WORLD IS SQUARE, 橋本仁 / 黄大?(G gallery、台北)
2017年 Independent New York (Ashok Jain Gallery, NY)
2018年 Code,Line,Sides (Pinacotheca gallery, Tokyo)
2018年 FORSAKING POP: A NEW ART GENERATION FROM JAPAN (WhiteBox, NY)
2018年 ALL ART+ (Van Der Plas Gallery, NY)
●個展
2013年 橋本仁 展 -橋本曼荼羅- (Overland Galler、東京)
2014年 橋本曼荼羅 -あしとりんご/”Who”の肖像- (Overland Galler、東京)
2018年 Chained -連鎖のなかに- (tagboat gallery、東京)
2018年 Jin HASHIMOTO / Memory Code 【Crony Art Program】(Crony, Tokyo)
●公共展示
2011年 東京都上野恩賜公園 作品設置
2012年 SAS(ストリートアートステージ)作品設置 (取手駅前、茨城)
2012年 南アフリカ共和国日本国大使館(公邸)にて展示 (現在、日立パワーアフリカ社にて展示)
2013年 大学評価・学位授与機構 エントランス、機構長室 作品設置(大学評価学位授与機構、東京)
??アーティスト イン レジデンス
2017年 PIER2 Art center (高雄、台湾)
2017年 中之条ビエンナーレ 2017 (群馬、日本)
●受賞歴
2011年 東京都知事賞 (東京藝術大学、東京)
2012年 第12回 KAJIMA彫刻コンクール 奨励賞 (KAJIMA彫刻コンクール、東京)
2012年 安宅賞 (東京藝術大学、東京)
2016年 第11回 TAGBOAT AWARD グランプリ(TAGBOAT、東京)
2016年 第34回 三菱商事ART・GATE・PROGRAM 入賞
2017年 Independent Art Fes TAIPEI 大賞
●メディア露出
-Artefuse (New York City)
https://artefuse.com/2017/11/20/independent-new-york-by-tagboat-japan-at-the-ashok-jain-gallery-125260/
-THE BROOKLYN RAIL (New York City)
https://brooklynrail.org/2018/07/artseen/Forsaking-Pop-A-New-Art-Generation-from-Japan
-Tagboat アーティストインタビュー
http://www.tagboat.com/wp/橋本仁アトリエ取材/
●ビデオ
-PV
https://www.youtube.com/watch?v=THkUk5iRSIc
-メーキング
Memory code (鉄)
https://www.youtube.com/watch?time_continue=7&v=e9BIcappssc
Memory code (木)
https://www.youtube.com/watch?v=A9iEx2dvIIg