タルタロス「How to Make」独自の絵画手法 Automatic Painting

制作工程を種明かしする「How to Make」インタビュー。今回はタグボート取扱いアーティストのタルタロスさんにお話を伺いました。

タルタロス

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今回ご紹介いただく作品について教えてください。

『Golden cookies』（Automatic Painting シリーズ）です。

この作品は、「スマイルマーク=smiley」が大元です。

携帯の絵文字にも頻繁に登場しますね。

なぜスマイルマークをモチーフにしているんですか？

NIRVANAという私の彫刻作品の背景パーツにsmileyを引用したのが始りです。ロックバンドNIRVANAのツアーTシャツのグラフィック（カートコバーンの落書き）が好きだった事もあります。

その後「Automatic Painting」の抽象シリーズに偶像性を加えたものとして再利用しました。

スマイルマークについては、加工したグラフィックやストリートアートも沢山あり、そういう多様性が出現するこのシンボルマークの背景に興味があります。人が惹かれる偶像や信仰をテーマに作品を作っているので、smileyを現代偶像の一種として捉えています。

金色を用いる意味は何かありますか？

金色は人類の栄光や繁栄の象徴で、現代では、お金の象徴です。

リッチである事以上に、人が惹きつけられる何かがあります。物質的ですが神秘的でもあります。

この作品は鑑賞者にどのように観てもらいたいですか？

限りなく何処でも誰でも良いです。

この作品はどこに注目して観てもらいたいですか？

本物のお金を使っている事と、紙幣の種類。また、クッキーみたいに可愛いところです。

制作工程について

使っている材料はなんですか？

アクリル絵の具、世界100カの国紙幣やドル紙幣、金箔、桐板です。

本物の紙幣や金箔などを使うのはなぜですか？

お金や黄金が持つ意味や感覚を作品に活かす為です。

お金を使うイリーガル性（違法性）も理由です。

私が好きなストリートアートは現代アートで近年大きな影響力を持って来てますが、背景にはイリーガル性があります。街の壁に絵を描く事は基本的には違法行為です。でも、市民に受け入れられ歓迎されているアートもあります。それは、芸術が法を超える価値を作ったと言える証拠です。

従来の権威的な芸術から、市民が無料で身近に見れるアートとしてストリートアートは発展して来ています。ストリートアーティストにメッセージを重視する作家が多いのは、彼等が社会や政治に積極的にコミットしようとする姿勢が強い現れです。バンクシーのシュレッダー事件は、従来の芸術価値観を破壊しようというメッセージが読めます。