制作工程を種明かしする「How to Make」インタビュー。今回はタグボート取扱いアーティストのayaka nakamuraさんにお話を伺いました。
ayaka nakamura |
今回ご紹介いただく作品について教えてください。
「Song of Sky」というペインティング作品です。
普段アニメーションや映像も制作しているのですが、その為か、自然や生き物の動きに興味がありまして、自然の強くても繊細な空気感や、生き物の息遣いを注目していくうちにだんだん抽象的な絵柄になっていきました。
制作現場はどのような場所ですか?
昨年まで国内外のアーティスト・イン・レジデンス(滞在しながら制作できる場所)を旅するように転々としながら描いていたのですが、コロナの影響により現在は自宅で作業しています。
壁や床をかなり汚してしまうので保護シートを貼って作業しています。
全身を動かして描くような、大きい絵を描くのが好きなので、広いスペースがほしいなぁ…と。
作業場が狭くて、最近不完全燃焼ぎみです。
作品に使っている材料はなんですか?
メインはアクリル絵の具です。
しかし色の発色がどうしても足りないと感じてしまうので、パステルやポスカ、水彩絵の具なども使っています。
デンマークで見つけたパステルと、上海の絵の具
国によって色味に特徴があるのが面白い
作品に使っている道具はなんですか?
筆、ローラー、パレットナイフ、水の流れ…などです。
「平面作品」と呼ばれているものでも、アナログの作品は立体作品だと思っていて、たとえば紙に鉛筆で描くだけでも、紙の毛羽立ちや鉛筆の乗リ方など、一見平らに見えても、手で触れるものは全て立体だな…と思っています。なのでペインティングは、どこを削るか、どこを厚くするか、など立体的や質感を考えながら描いています。
遠くからはただの白に見えても、近くで見るとキャンバス地、絵の具、メディウム、とそれぞれの白で成り立っている
どのような手順で制作していますか?
写真や映像を撮ることから始めます。元々、気になる動きや風景があると映像をとっているので、作品の為というよりクセですね。そこから色味や情景、雰囲気を感じながら描いていきます。
8割まではすぐに描けるのですが、そのあとは線1本描くだけでもバランスがくずれてしまうので、集中力と時間を要します。
最近はコロナウィルス感染拡大によって、今まで旅人のような生活から自宅引きこもりになったので、自由に国を行き来できるありがたさを感じています。
それと同時に、落ち着いて作る良い期間でもあるので、試してみたかった技法などを楽しんで研究しています。新たな発見が加わった新作を楽しみにしていただけましたら嬉しいです。
ayaka nakamura |