タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
作品制作にまつわるあれこれや、普段は聞けないようなお話などが満載です。
毎週更新していきますので、ぜひぜひご覧ください!
アーティスト Aira
小さいころから絵を描くのが好きでしたか?
覚えているのは4歳の頃、美術の学校のようなところに通っていたことです。
学校のドアを通りたくなくて、泣いていました。大丈夫だから早く入れと、階段の下であやしていた父の顔を覚えています。入ってからの記憶はないですが、それが教育としての美術との始まりだったように覚えています。
受験のような絵を描かなければいけない時期とは違って、子供の頃は自由なので、平面よりは立体を作った覚えがありますね。でもあまり怖いものだと(リアルな黒い毛が生えている女性の頭など)作っては親にばれないように隠していて、バレた時にはよけいに怒られました。
今思うと絵を描くという行為よりは、何かを研究しているような感じのほうが多かった。
豆を植えて、成長過程をめちゃくちゃ細かく絵付きで記録しました。
菌類もすきで、撮ってきては胞子を摘出したり、切り刻んで潰したり、部屋でカビとかも育ててみたりして、これも叱られました。
石もすきで、あらゆる形や色の石を集めていて、拓本を取ったり、削ったり、割ったり、しているのがすきでした。
絵の話から逸れましたが、受験みたいになる前の絵(美術)はとにかく幅ひろくて自由でした。
美術の道に進むことになったキッカケは?
金もうけに必死だった塾の院長に私立の芸術高校→美大→海外留学という(韓国では)決まりきったルートを親に吹き込まされたので、つられました。
本当に小さいころからやっていたので、そういう道順が本当に正しいのか自分で判断するのは今更なことのように思えました。なので大学に入っても、違うことばかりして、先生達に呼ばれて怒られた覚えがあります。。
長い無駄な学生から離れ、親も離れ、国も離れ、長い時間が経ってからようやく戻ることができました。いろんなことを捨てて、離れて、空っぽになると、残るものが絵を描くことしかない、とすんなり納得できました。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなとき?
TAGBOATです。
空っぽになっていた時には、世界と自分の絵の接点が全くなかった。
国も離れていたので、何か引っ張ってくれる先輩も先生も本当になかったです。なので、いそいで、少しあわててあれこれ調べました。
一番早く私がここで何か作っていますと世界と繋がる方法としてネットはとても効率的で便利で重要だと思いました。なので、TAGBOATがあってよかったです。
それから、オフラインもやらなきゃと思いました。とにかく慌てていました。
何か着地できるものがないと不安におもったので、GEISAI17をきっかけに公募展やグループ展など1年に10個以上ものイベントに参加し年もあった。
そんな慌てた時期が最近になって、少し落ち着き始めているように感じます。
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?作品の制作手順などは?
スタジオは視覚化された自分の心なので、例えば右川には水彩がかけるところ、左にはアクリル 真ん中にはパソコンとメモやアイデアブックが置かれていたりします。床にはインスタレーション用の紐や木、壁には80号以上の大きいサイズの画面とか、本など、と様々なことが同時にできるようなっているのが好きです。
作る時は基本的に文字にしてから作品にする、というシンプルな行程で作ります。時には文字もない状態で始めます。気にしている単語や文章をずっと頭でぐるぐると考えます。
考えるうちに、完成形がたくさん変わるのですが、その都度変形した形をまたメモで書き残します。
メモが溜まったらそれを一度に広げて見ながら作り始めます。
アイデアスケッチや習作を重ねてスケッチ、下書き、密度上げ、修正、完成などといった基本的な手順を中学生くらいのごろからやってきて、それには飽きているように自分では感じます。
しかしこだわりや手順は様々な方法を行ったり来たりと作品に合わせて変えて使えることが理想です。
現在、力を入れて取り組んでいることはありますか?
個展を終えて、しばらく無計画旅行をしました。
今まではオン、オフ無しで、ずっとオンだったように感じますが、これからはオフでインプットというのも本当に必要なんだなと実感しています。
旅行や哲学書を読むことなど、いかにもインプットとしての行為もありますが、それよりまだやったことないジャンルをやることでオフになると思っています。
仕事として仕事をやり、非仕事として、美術をやっていきたいと思います。
将来の夢、みんなに言いたいこと
私はこの最近5年間、作ることが当たり前だった絵から離れ、本当に自分が語るべきものを探し求めて、たくさんの事をそれぞれの技法で作品に変換してきました。
ただ触れた事がある事や、考えた事がある、といった後からつけられた情報は作品にしても発信力をそれほど持たない。自分の中に染みついている真のところに触れて初めて自分しか言えないこと=自分が言わなければ言えない事が成立され、いい作品になっていくのだと感じます。そんな作品を作る時は疲れも忘れそうですね。
そうやって、作品作りをつづけるのが夢でもあります。
今夏、Airaも出展した台湾でのTAGBOAT主催の展覧会「TOKYO ILLUSION」
2018
Independent TOKYO 2018、浅草橋ヒューリックホール
TOKYO ILLUSION 東京幻境日本當代藝術展、台中軟體園區 Dali Art藝術廣場、台湾台中市
SICF19(SPIRAL INDEPENDENT CREATORS FESTIVAL), スパイラルホール
TAGBOAT AWARD 入選者グループ展、世田谷ものづくり学校
2017
第3回AKKAアートと工芸の金沢オークション、金沢しいのき迎賓館
グループ展 Point、東京・ギャラリーアートポイント
グループ展 Prism、東京・ギャラリーアートポイント
Art ZEN Berlin 2017、ドイツ・ベルリン
2016
NAU21世紀美術連立展、東京・国立新美術館
ワンダーシード 2016 入選展、渋谷TOKAS(旧ワンダーサイト本郷)
TAGBOAT AWARD 11th 入選展、世田谷ものづくり学校
Berliner Liste 2016、ドイツ・ベルリン
Fragments Ⅱ、東京・ギャラリーアートポイント
2015
個展『White Plants』、東京・ギャラリーアートポイント
UNKNOWN ASIA OSAKA、大阪市中央公会堂
2014
ワンダーシード 2014 入選展、渋谷TOKAS(旧ワンダーサイト本郷)
TAGBOAT AWARD 8th 入選展、世田谷ものづくり学校
SHOP ART WALK 2014 in Tokyo Designers Week、東京・JINS原宿店
The Fountain Art Fair 2014、ニューヨーク
2013
Fragments 2013、東京・ギャラリーアートポイント
TAGBOAT@Bunkamura、東京・渋谷
2012
GEISAI #17、東京・浅草
Award
2018
Independent TOKYO 2018 審査員特別賞 山本知青 賞(Shonandai Gallery)
Tagboat AWARD 13th入選
2017
THE TERADA PRIZE
(Berliner Liste 2016 Japanese Young Artist Group グランプリ)受賞
2016
ワンダーシード2016入選
Tagboat AWARD 11th入選
2014
ワンダーシード2014入選
Tagboat AWARD 8th入選
Website
http://airaism.com/
Facebook
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