タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
作品制作にまつわるあれこれや、普段は聞けないようなお話などが満載です。
毎週更新していきますので、ぜひぜひご覧ください。
小さい頃から絵を描くのが好きでしたか?
子供の頃は特別絵を描くことが好きと言うわけではなかったですね。
ただ、みんながドラえもんを描いているときに僕だけ何故かコロ助を描いていたので、それは楽しかったし、同級生たちも面白がっていました。
美術の道に進むことになったきっかけは?
画家になると決めたのが小学校1年生の時でした。
それを話すと大体聞いている人は「なんで小学校1年の時にそう思えたんですか?」って言われるんですよ。
僕は小学生の頃、頭が良かったらしいんですけど、出来杉くんみたいなクラスメイトがいて勉強で一番になれなかったんですよ。
それで小学校という小さな環境で一番になれないなら見込みがないなと感じて学問の道はその時に諦めました。
その後に考えた候補として、スポーツは苦手で、ピアノもしていたんですけど他の女子に負けて合唱コンクールの伴奏になれなかった。
最後の選択肢として、美術だけは適当にやってても賞状がかえってきたので、これなら勝てると、プロのアーティストの道を選びました。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなとき?
しっかりした場所で展示ができたのは、2016年度の「ワンダーシード」という現代アートのコンペで入選した時ですね。
そのコンペでは入選した特典として、入選作品を展示販売できるのですが、その時に人生で初めて作品が売れました。
また、TAGBOATの徳光さんに取り扱い作家のお声がけを頂いたのも、この展示がきっかけです。
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?
基本的に午前4時に起きて、朝の支度を30分程度します。
その後から制作を12時まで、行います。
朝食は気が向いたタイミングで食べて、午前中はとにかくアウトプットである作品制作に集中します。
12時頃になって昼食をすませると、電車に乗って都心の方に行き、行ったことのないお店などを巡ったり、スタバとツタヤのコラボカフェで1日一冊本を読んだりして、インプットに時間を費やします。
夜は知り合いのギャラリーのレセプションパーティーに行ったり、作家仲間や仕事仲間と飲むこともあれば、家でゆっくりしたりと割と自由な時間を過ごすようにしています。
22時になった頃に就寝して、また次の日の朝も制作から1日を始める、これを毎日続けています。
現在、力を入れて取り組んでいること
一番力を入れているのは、やはり作家活動ですね。
良い作品を生み出すために1日を設計しているようなものなので。
あとは他の作家と違うと言われる部分なのですが、アートをそれまで関わりがなかった方にもご体感いただけるように、新規事業の立ち上げなどに携わっています。
これは、作品は他者の目や手元に届けてから作品として成立すると僕自身が考えているので、そういった活動もしたりしています。
将来の夢、みんなに言いたいこと
これからの活動として、やりたい事とやるべき事は沢山ありますが、次世代にあたる子供たちがアーティストに自分もなりたいと思えるような在り方でいたいと考えています。
そのためにはアーティストとして自分自身が活躍するのはもちろんのこと、アート業界がより開放的で発展性を持てるよう尽力していきます。
美術大学学部を卒業したての濱村凌は、卒業と同時に自身の作家活動とArt事業展開のみに集中すると決心して実践し続けている。
そして、実際に作品の販売数に関しても同世代を圧倒する分量とスピード感を誇っている。
彼の作品は単なる人物像を描いているのではなく、オーロラのような発色の彼自身が開発した特殊技法により、「人が人と関わった時に生じる間」を表現している。
また22歳とは思えない程の風格さえ備えた作品群だが、そこに満足せずに新しい作品展開を貪欲に追い求めている。
まだまだ若いゆえこれからの活躍が期待されているし、どのように作風が変化していくのかも気になるアーティストと言えるだろう。
評価の上昇により価格が上がり始めたこのタイミングだからこそ、コレクションとして持つことには未来に対する意味を持つだろうし、作家のビジョンを応援するには絶好の機会の逸材であるといえよう。