
北村環

プロフィール
北村環は「ギミック」をテーマに作品を制作しています。
その作品は、事実にかかわらずメディアから流れてくる情報だけで
先入観を持ちやすい人間の本能に警鐘を投げかけます。
作品と向き合う行為を通して、「見る」あるいは「見える」ことが存在の確認になり得るのかを
鑑賞者に対して問い続けているのです。

作品を作り始めたのはいつ頃ですか?
物心がついたばかりの頃、目の前で従兄弟が何気なくノートを開き鉛筆を走らせました。
白い紙の上に線が生まれ、やがてそれは見覚えのある漫画のキャラクターへと姿を変えていきました。
それまではテレビや本の中にしか存在しないと思っていたキャラクターが目の前のノートに現れ、
無から何かが生まれる瞬間を私は初めて目撃したのです。
「絵は見るだけのものじゃない。自分で生み出していいんだ」
その気づきは雷のようにビリビリと身体の中を走り抜けました。
それ以来、私は夢中で漫画を模写する子供になり、その思いは現在に至っています。

作品に共通するコンセプトを教えてください。
私は「ギミック(仕掛け)」をテーマに作品を制作しています。
私の作品は、
「カメラで見ると描かれた対象がはっきりと見えるが、肉眼で見るとぼやけた抽象的な絵に見える」
とよく言われます。
これは偶然ではなく、描く対象をデジタル上で色分解し、色の網点を手描きする事で
不揃いな色の集合体がぼやけた幻影のように見える仕掛けを絵に施しているからです。
はたして写真に写るものは肉眼で見えているのだろうか?
これは単なる色彩の実験ではなく「知覚の不安定性」に対する問いかけでもあります。
私は作品と向き合う行為を通して「見る」あるいは「見える」ことが
存在の確認になり得るのかを鑑賞者に問いたいのです。

作品のアイデアは、日常のどんな風景から生まれることが多いですか?
街中の広告ポスターの人物がブランドの理念を背負わされている状態やアイコン化された著名人の顔。
こうした「個」と「象徴」が重なっている場面に遭遇すると
肖像と記号のオーバーラップというテーマを喚起させられます。
その印象が象徴や色彩、点描へと変換されて絵になっていくイメージです。

制作に入る際、必ず行うルーティン(音楽、飲み物、時間帯など)はありますか?
制作前には必ず数分間キャンバスを眺めます。
肖像である「個」と、これから重ねる「記号」の関係性を頭の中で再考する時間です。
「これは誰か」という認識から離れ「これは形態だ」と再定義します。
最初の一点は常に緊張の中から始まります。

ご自身の作品において「色」はどのような役割を持っていますか?
カラフルな色の点描は一見ポップで軽やかに見えます。
しかし、その内側では個人の顔が記号に置き換わっていく構造が潜んでいます。
色は鑑賞者を作品へ引き込む接点であり、私にとっての色は感情を表現する媒体ではなく、
心理よりも社会構造を表す要素に近く「ポップさ」を装う道具でもあるのです。

今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
奥行きのある立体的な作品にも挑戦してみたいです。
新しい素材やモチーフに常にアンテナをはり、失敗を恐れず、
まず実践してみて結果をしっかり検証する事をモットーに、
見る人に驚きや発見を与えられる作品づくりをしていきたいです。

10年後、どのようなアーティストでありたいと考えていますか?
SNS、広告、AI生成画像、アイコン文化、現代は顔が最も消費される時代です。
アンディ・ウォーホルがマスメディア時代を象徴するイメージを残したように、
私は「イメージ過多の時代」の構造をアートで提示し、
単なる美術作品ではなく時代の証言となるような作品を残せる作家になりたいと考えています。

4月24日(金)ー26日(日)開催:tagboat Art Fair 2026

「tagboat Art Fair 2026」
会期
2026年4月24日(金)ー26日(日)
詳細日時
・Preview -会場限定販売期間-
4/24 (fri) 16:00 – 20:00
・Public View -オンライン同時販売-
4/25 (sat) 11:00 – 19:00
4/26 (sun) 11:00 – 17:00
※3日間どなたでもご来場可能です
会場
東京都立産業業貿易センター浜松町館 展示場2階
〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
チケット代
1500 円(会期中再入場可能)
※障害者手帳のご提示でご本人様、付添いの方1名まで無料
※学生証のご提示でご本人様無料
※小学生以下のお子様は無料