アート作品の購入にはいろいろなエピソードが詰まっています。お気に入りの作家との出会いや、作品を購入するきっかけとなった出来事、また作品が届いてからの想いなど。今回はタグボート取扱い作家・鈴木ひょっとこさんの作品をご購入されたKYKYさまのエピソードをご紹介します。
KYKY 50代・男性・埼玉県在住 |
子供のころ、お茶漬けのおまけについていた浮世絵のカードを集めていました。今思えば我ながら渋い趣味だと思います。祖父や祖母、そして私もお茶漬けが大好きなこともあり、かなりの数が集まりました。時間は掛かりましたが、充実したコレクションとなったと記憶しています。それから私は他に夢中になることが見つかり、しばらく美術からブランクがありました。
30代になって再び美術に興味が出たので、美術館に通うようになりました。西洋絵画も好きですが、自然と、日本画や浮世絵に興味を持つようになりました。そんな中で、美術館で眺めるのでは飽き足らず、自分だけの物を持ちたいという思いが募っていきました。浮世絵を買いたいと思いましたが、本物はとても手が出せない価格なのでがっかりしていた時、大正から昭和の時代に活躍した新版画の「川瀬巴水」と出会い、好きになり、後摺りの版画を集めだしました。初摺りの作品は高くて手が出ませんが、後摺りなら手ごろな価格で手に入りました。
年齢も50代となり、なんとなくコレクションに面白みがないなと思っていました。そんな時、TAGBOATからのメールをチェックしていた時に出会ったのが、鈴木ひょっとこさんの「バーコードの阿弥陀ケ瀧」でした。パソコンの小さな画面で、一瞬、北斎かなと思った瞬間に感じた違和感、「バーコード?何だこれ!」と思って細部を見て、斬新な発想に感心しました。実際にバーコードリーダーに掛けてみたら ピッ と反応しそうな感じもします。
「バーコードの阿弥陀ケ瀧」鈴木ひょっとこ, 18 x 14 cm, パネルにアクリルガッシュ絵の具で手描き
いつもは、優柔不断で、即決で買い物などしない私ですが、そのまま購入画面に進んでカード決済しました。2枚が出品されていて、もう1枚がすでに売れていたこともあったのかもしれません。決裁した後に、絵のサイズに気づいたくらいでした。小さくてちょっとかわいい絵でした。今では、川瀬巴水の版画の間で、ちょっとしたアクセントとして鎮座しています。面白みのなかった我が家の壁にちょっとしたユーモアが付け加えられました。
画像提供:KYKYさま
ひょっとこさんのHPをみて、浮世絵風の作品以外にも家電製品がテーマの作品があることを知り、是非手に入れたいと思っています。今回、買ってよかったと思っています。これからも大事にします。
鈴木ひょっとこ Suzuki Hyottoko作品ページはこちら |
KYKY様
作品を即決購入していただき、誠に有り難うございます。
私も浮世絵と出会ったのはお茶漬けのカードで、子どもの頃よく眺めておりました!
作品意図のユーモアをご理解いただき、川瀬巴水氏の絵と一緒に飾っていただけて、とても嬉しいです。
私が10年描き続けてきた家電図シリーズは、現代の”家電”と昔の”浮世絵”というかけ離れているけれど、どちらも日本的と言えるモチーフを融合させるというコンセプトでして、それをミニサイズの中に端的に描き表したのがお買い上げいただいた、北斎の滝がバーコードになっていく作品です。
家電図は更に大きく絵それぞれにストーリーのある作品が多く、ぜひ今後の発表にもご注目いただけたら幸いです!