シャンプー他化粧品を企画販売する会社の代表を務める笹川直子さん。これまでのコレクション歴は約20年で、年に2〜3作品は購入していることになる。
アートとの出会いは20歳のときで、銀座で画廊をやっている母の友人から、クロード・ヴィアラの作品を購入したのが最初である。当時はバブル絶頂の時期でもあり、OLでもアートを買うことができたという。その後も、画廊のオーナーにアートについての相談や、他のギャラリーを紹介してもらったおかげでぐっとその時期に作品を見る巾を広げることができた。結婚後に以前の会社を退職し、子育てもあってしばらくコレクションから遠ざかった時期もあったが、復帰後はまた積極的にアートに関わるようになり今に至っている。好きな作品はシンプルで強さや、広がりを感じるもの。森山大道、マン・レイなど、写真も多い。
笹川さんは、アーティストやギャラリストなどアートを取り巻く人たちの自由な発想で何かを極めようとする姿勢に尊敬を感じている。時代の流れを先取りし、次の社会を見据えていくのがアートである。多様性が求められる時代では、以前と比べてアートが許容される範囲が広がってきており、今後アーティストの活躍の場はもっと広がるだろうと考えている。
「アートは私のライフスタイルの重要なエッセンスであり、アートを通じて人との交流が始まることに素晴らしさを感じる。若いアーティストの成長を応援したいのだが、まだ日本ではアートコレクターは市民権を得ていないように思える。現代アートを無理やり分かろうとするのでなく、気軽にブランドのバックを買うような感じで買っていけばよいと思う。」
笹川さんは、ご自身の経験から、アートをきっかけに世界観が広がる人がもっと増えてほしいと願っている。