家族で楽しむ”ファミリーアート”
1995年に東京都現代美術館がオープン。当時、高校生だった竹内勇希さんは初めて接する現代アートに衝撃を受けたという。それ以来、現代アートに 興味をもち、休日は一人気ままにギャラリー巡り、社会人になってからは、予算内で気に入った作品を定期的に購入、本格的なコレクションが始まった。
そんな竹内さんは、2007年に賀子(のりこ)さんと結婚。竹内さんの誕生日でもあった結婚式当日、奥様がサプライズでプレゼントしてくれたのが、ヤノベ ケンジの「ミニトらやん」だ。後日、展覧会で出会ったヤノベケンジさんに、そのエピソードをお話したところ、ご本人も感激し記念に結婚式の写真にサインを してくれたのだという。今年、長男・智視(さとみ)君が誕生した折には、卯年にちなんで、渡辺おさむさんのウサギの作品を購入した。さらに、来年の初節句 に向け、「兜」をモチーフにしたコミッションワークを依頼中だという。家族の大事な記念日を世界に一つだけのアート作品として思い出に残す。オリジナリ ティ溢れる粋な贈りものだ。
智視君がもう少し大きくなったら、一緒にワークショップに参加したり、地方の美術館やアートスポットを盛り込んだ家族旅行も楽しみたいという竹内さん。独 身時代は、アートを個人的に楽しんでいたが、これからは、家族でその楽しみを共有していきたいと語る。ライフスタイルの変化に伴い、ギャラリー巡りや作品 購入も以前のように一人気ままにとはいかないが、家族をきっかけにアートを通じた新しいコミュニケーションのあり方を発見し、その楽しみは広がりを増すば かりだ。