サラリーマンである傍ら、94年から現代アートのコレクションをはじめて今では約300点にのぼる収集作品をもつ。これまでのコレクター生活から得た知識を元に「現代アートを買おう!」という新書が発刊された。
ギャラリーは無料なのに入りにくい。また、買う気がないのに入ってもよいのだろうか。実際に買いたいときにはどうしたらよいのか。アートを買うまでは分からなかったことを初心者にも知ってもらい、アートを買うことで得た喜びを伝えたいと思ったのが著書「現代アートを買おう」を書くきっかけとのこと。サラリーマンコレクターならではの身近な視点で書かれており、作品の保存や海外への送金方法といった使えるノウハウがつまっている。
宮津大輔さんはコレクションした作品をまだ一度も売っていないという。その理由として「コレクションは作家との交流を求めるものだから」だという。現代アートの場合、作家が生きているので直接本人と話ができる。身銭を切ってアートピースを買うというのは大変な勇気がいるものであり、買うことでコレクターと作家との信頼関係が生まれる。その作家との関係性があるとなかなか売りづらいものである。
作品に思わず一目ぼれして買ってしまう場合が多い。好きになるのは、同時代性を色濃く反映している作品。
普段はアートとは関係のない仕事をしているが、アートを見ることでこれまでとは違う角度、違う方法でものを大きく捉えるヒントになっている。自分でよいと思える作品は買えるうちはできるだけ買っていきたいと思っている。