「幼少の頃から美術館にはよく両親に連れて行ってもらっていたし、自宅にも美術品が飾ってあったことが現在のアートコレクションにつながっているかもしれません。その後、社会人となりビジネスに没頭していたところ、富裕層のアートコレクションに興味を持ち、村上隆のスクリーンプリントを購入したのが今から4年ほど前です。」そう語るのが、投資会社経営のイケメン・コレクター池田浩章さん。
「コレクターといえば敷居が高いイメージがありますが、自分自身は『カジュアルなコレクター』だと思っています。アートをファッションやインテリアのように楽しみ、自宅では友人を招いたホームパーティーでアートを共有し、さらにオフィスに飾ることで社員や訪問者にも気軽に楽しんでもらっています。」
基本的にはギャラリーで買うことが多いが、GEISAIのような場所でこれからの作家を発掘するのも好きである。作家の発掘は投資会社の経営と似たところもあり、まさに作家を「インキュベーション」するような気持ちであるとのこと。最近は趣味が高じて、富裕層の方に本当の価値の購入をお勧めすることを無償でサービス提供することもあるという。
池田さんは海外のアートフェアにも行くことが多いが、主には見識眼を高めるためであり、作品購入にまで至ることは少ない。実際に持っている作品の大半は国内のギャラリーで購入している。しかしながら、最近では日本人作家に負けず劣らず、中国の若手にすごい実力がある作家が多いことを知り、ビックリしている。実際に今年5月、中国・重慶に在る四川美術学院を訪問し、実力のある学生の作品を数点購入したようだ。
日本のアートマーケットの今後の広がりには期待を持っている。30代の女性は自分自身の投資のためにお金を使っているし、アートマーケット拡大の起爆剤となる可能性を大いに秘めている。そういった女性へのプレゼントに男性がユニークピースの作品を贈るというのはおしゃれだと思う。
今後富裕層が、アート作品と接する頻度が増えてホンモノの価値がわかるようになれば、必ず購入に結びつくようになると思う。実際に企業家同士のPARTYでアートを飾ると話しに花が咲き、効果も高い。アートをきっかけに共通の趣味をもち、文化の話にまで広がりを持つようになると、ビジネスにもよい関係が構築されると考えている。