Independent台北が6月23-25日に、台北市の松山文創園区にて開催された。
昨年東京にて開催されたIndependentは国内だけでなく、海外にも飛び火して広がることになった。
その第一段が台湾であり、Independent台北にて台湾の若手アーティストの登竜門としての存在感を示すことに成功できたのではないかと思う。
それもこれも共同開催の居藝廊(G.Gallery)の協力がなければ現地でのイベント開催は難しかったし、彼らの力は大きかった。
さて、これまで台湾では、村上隆率いるGEISAIが崋山1914文創園区にて2009年~2011年の3回にわたって開催されたが、台湾での日本側主宰のアートイベントは6年ぶりだ。
今回の台湾でのIndependentには国内外合わせて約110名のアーティストが集まった。
驚くべきは3日間での来場者数は延べで約8,000人だったことだ。日本では考えらないよう大人数だ。
午前中は比較ゆったりとしたペースなのだが、午後からは怒涛のようにお客様が押し寄せてくる。テレビ局の取材もあった。
台湾は若い人達がアートを積極的に楽しもうとする気持ちがあるのがすごく分かる。
来場者が参加者にどんどん声をかけるので、出展アーティストもそれに合わせてのってくるのである。
アートというのが単なる趣味の延長ではなく、将来的にビジネスとしてお金になるというイメージがあるのでアーティストに対するリスペクトが高く、アーティストもそれに応じて自尊心が高いように感じる。
非常によい意味でアートが循環しており、日本に比べると1人当たりの収入が少ないにも関わらず、アートについては台湾は潤っているようだ。
さて、今回は上位2名のニューヨーク出展の一人に日本から出展した橋本仁氏が選ばれた。
彼は出展前に台湾の高雄に3カ月間アーティストレジデンスで滞在し制作した大作を持ってきた。
2面パネルに1点ずつの大作の展示はまさに圧巻で、他を圧倒しようという試みが強く感じられた。
実際に審査での点数でもぶっちぎりの1位を獲得した。
また、会期中に展示作品は台北市内に美術館を運営するNPO団体にも買い取られ、この3日間で一気にスターダムにのし上がった形となった。
今回、橋本仁氏は意図してニューヨークに出展するための作品を狙って作ってきたようだ。
小さな作品を売るというよりも大きな作品で圧倒的な印象を審査員に残すことにこだわったとのこと。
こういったことを結果として残し、次のキャリア形成に活かしていけることも、Independentの役目であることも強く感じた3日間であった。
ニューヨーク出展を決めた橋本仁の大作
ニューヨーク行を決めた橋本仁(右)と出展者の今関絵美(左)