結婚して約10年。武内氏は奥様と二人でアートを生活の中に取り込んで楽しんでいる。
ロンドンのグラフィティアートは、NYとは違う新しい文脈でした。中でも政治的なメッセージやシニカルな意味が込められた作品に興味を持つことから本格的なアート好きが始まった。
7年前の森美術館の最初の展覧会「ハピネス展」を二人で見て衝撃を受けたことがアートを購入するきっかけとなった。あらためて国内の現代アートを見てみると、以外に安くオリジナルのペインティング作品が買えることがわかった。特に、GEISAIで関山晃司の作品に出会ってからは写実的なペインティングにも興味が湧いてきた。
10万円以下で若い作家の作品をメインに、クールなファッション性にもこだわりながら買うのだが、ひと目ぼれはほとんどなく、じっくりと見極めてから買うことが多い。財布のヒモは奥さまがしっかり握っているようだ。
アート作品を購入する理由は、自分自身が絵を描けないというコンプレックスを埋めるためかもしなれないと自己分析している。本当に自分がよいと思う作家とは頻繁に会ったり食事したりということが多く、彼らを応援したいという気持ちが購入に強く働いている。
応援したい作家が食べていくためにはアートファンの数を増やさなければならない、そう思っていたときに、中川剛氏(かけざん主宰)とCIVIC ART主催のコレクターとアーティストとの交流イベント「アート合コン」で知り合い、そこから、若手コレクター同士が次第に繋がっていった。今では、一緒に口コミメンバーでSNA(Sunday Night Art)というツイッター上でアートファンの拡大の活動を行っている。
まだ国内でアートはマイナーだけれど、自分でカッコイイと思うものは世間に理解してもらいたいし、見せていきたいという思いがある。普通にアートの会話ができる人が増えてほしいし、そういう環境が作ることができればと思っている。
アートで頑張っている人を応援するまさに「現代アートの応援団」といえる武内ファミリーである。