ベンチャー企業で働いているビジネスマンである中川剛氏は、今年の3月から現代アートの世界にすっかりはまってしまい、現在では「かけざん」というアートコミュニティーや、Twitter上でのアートファンの情報交換の場、Sunday Night Art(SNA/#art jp)を主宰している。
もともと音楽やギターが趣味であったが、数年前にローリングストーンズ『Sticky Fingers』のジャケットがアンディ・ウォーホールの作品であることに衝撃を受け、アートと本格的に向き合い始めた。
その後、森美術館がUBSのコレクションを展覧するのと合わせてトレンド雑誌が現代アートを特集するなどして世の中のトレンドが大きくアートにシフト化する中、「オリジナルのアートが数万円で買える」ことを知り、これまでの見るアートから買うアートへと自身の考えも大きく変化していった。具体的に作品購入を始めたのは2010年3月からであり、その後、週末のギャラリー巡りやアートフェアに頻繁に出かけるようになった。
現代アートのよさは、作家が現存しているので、リアルなコミュニケーションができることにある。その中で、アートの敷居を下げることをテーマにしたアートコミュニティー「かけざん」やアートコレクター仲間を増やすことを目指す「SNA」は始まった。
将来的に日本の経済は、もの作り中心から文化的なことが中心になっていくと考えている。作家がモノ作りにおいて文化を支え、コレクターは日本のアートシーンをブランディングすることで一緒に価値を高めていきたい。 これまで、点としての活動が多かったアートファンを、そこからギャラリスト、作家へとつなげることで、点から線、面と「かけざん」的に発展させていきたいと思っていると言う。