タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
作品制作にまつわるあれこれや、普段は聞けないようなお話などが満載です。
毎週更新していきますので、ぜひぜひご覧ください!
小さいころから絵を描くのが好きでしたか?
はい、とても好きでした。
小学生の頃は、自由に描くのも好きでしたが、セーラームーンが大好きで、セーラームーンの絵が掲載されていた雑誌「アニメージュ」の表紙や「なかよし」の表紙をたくさん模写していました。
好きな絵を描く以外にも、オリジナル漫画も描いていましたね。ノートに描いたり、原稿用紙に描いてみたり。ストーリーを考えることも好きでした。小学生の頃は漫画家になりたかったので。
美術の道に進むことになったキッカケは?
高校生の時に美術専攻の学校ではなかったのですが、部活で油絵・ポスター画・クレイアニメーション・インスタレーションと様々なジャンルに挑戦しました。
「表現する」ということがものすごく楽しくて、この道をもっと突き詰めたいと考えるようになりました。
あとは当時、先輩たちが美術大学に入るためにデッサンを描いている姿にも憧れを抱いたのと、姉も大学で絵画を学んでいたので、とても影響を受けました。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなときですか?
初めては、高校生の時に美術コンクールに油絵を応募して入選した時ですね。大学の時もグループ展には参加していましたし、コンペに応募して発表する機会も多かったんですが、個展は大学卒業してしばらく経ってからでした。
作家として発表という形は、2014年にアートスペース羅針盤で「EverdayWonderland」という個展を開催した時が「初めて」と言っていいのかもしれません。
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?
今は子育て中なので、基本絵を描くのは夜ですね。
作品の制作手順や方法などを教えてください。
まずはテーマや展覧会全体の空気をどう作るか、イメージを膨らませて、作りたい空気感を模索します。
絵の雰囲気と同時に、言葉を探します。私は作品と同時にその作品のコンセプト文を詩のように一緒に発表するので、言葉探しも重要な作業になります。
作りたい作品のテーマや雰囲気が決まってきたら、その作品の参考となる写真撮影をします。
また、普段集めている雑誌の切り抜きや画像を集めてコラージュします。これらを元に下絵を作成していきます。
下絵の後に、キャンバスに下地を塗って制作を進めていきます。
基本的にはアクリル絵の具を使用して描いています。私はどんどん描き進めていきたいタイプなので、この表現手段が一番合ってますね。
そして、作品制作後に「タイトル」と「詩」を作り、完成に至ります。時にはこの「タイトル」と「詩」を先に作り上げて、絵に移る場合もあります。
他に日々ドローイングも制作しています。ドローイングは実験の場であり、遊び場でもあります。
自分の表現方法にとらわれず日記をつける感覚で行っています。展覧会をする際は、できる限り公開制作をしてドローイングも同時に発表していきたいと思っています。
普段発表している作風とは違うタッチのものも作ったりするので「こういう絵も描くんですね」と驚かれたりします(笑)
現在、力を入れて取り組んでいること
まずは第一制作活動スタイル。去年(2018年)の秋に出産したので今年はママ作家1年目です。
子育てしながら作品を作るということを模索中ですね。生活スタイルがまるっと変わったので。
絵作りは、今ドローイングを描いてて感じる「即興性の良さ」が、キャンバスで描く作品の方にうまく反映できないか試みてるところです。
表現の幅をもっともっと広げて自分でも驚くような表現の仕方に出会いたいと思っています。
将来の夢、みんなに言いたいこと
私は「絵」と「文章」というのを発表するときに大事にしています。
ですが、まだ発表する際にこの二つがうまくリンクしてるような展示はできていないように感じています。
理想とするイメージを完成させたいです。そして展示を見た際に、見る人に「まるで一本の映画を見たようだ」と感じてもらえるような展覧会を作り上げることが夢です。
あとはシンプルに「描き続けること」も夢です。どんな状況でも描き続けること。
これまで私は、描いて、観てもらうことで、人との出会いを広めていくことができています。出会いが広がることで観える世界も広がってきています。そうして描きたい世界も広がっていく。この広がりをもっともっと感じていくためにも描き続けたいです。
《経歴》
1985年 鹿児島県出身
2008年 女子美術大学デザイン学科 卒業
現在、大阪在住。
《展示歴》
2007年 エプソンカラーイメージング受賞作品展2007(青山スパイラル/東京)
2009年 異色の写真家&作家展/グループ展(アートスペース羅針盤/東京)
2012年 シブカル祭(渋谷パルコ PARCO MUSEUM/東京)
2013年 羅針盤セレクション 7人展(アートスペース羅針盤/東京)
2014年 POP UP GENTLEMAN展(阪急梅田メンズ館/大阪)
2014年 個展|Everyday Wonderland 有村佳奈展(アートスペース羅針盤/東京)
2015年 3人展(アートスペース羅針盤/東京)
2017年 ACTアート大賞展2017(The Artcomplex Center of Tokyo)
2017年 羅針盤セレクション?小作品&ポストカード(アートスペース羅針盤/東京)
2017年 上野の森美術館大賞展(上野の森美術館/東京・京都)
2017年 stella nova6(The Artcomplex Center of Tokyo)
2017年 アートストリーム2017(大丸心斎橋店/大阪)
2017年 個展「きっといつか夢から醒めてしまうね。」(The Artcomplex Center of Tokyo)
2017年 クリスマスコレクション&セレクション展(アートスペース羅針盤/東京)
2018年 Landscapes展(ondo/大阪・東京)
2018年 PINK GROUP EXHIBITION(CLOUDS ART+COFFEE/東京)
《受賞歴》
2007年 GIFUフラッグアート展2007 岐阜市賞
2007年 EPSON COLOR IMAGING CONTEST 2007グラフィック部門/ 優秀賞
2008年 女子美術大学卒業制作作品 女子美術館収蔵作品賞
2017年 ACTアート大賞展2017/審査員特別賞
2017年 アートストリーム2017/ホルベイン賞
WEBサイト|http://kana-arimura.com
Twitter|@arimu9
instagram|@kana_arimura