タグボート取り扱いアーティストの皆さんに、インタビューに答えていただきました。
アーティストになったきっかけ、作品制作方法、作品への想いなど、普段は聞けないようなお話が満載です。
毎週更新していきます。ぜひご覧ください!
小さいころから絵を描くのが好きでしたか?
はい。大勢でにぎやかに遊ぶより一人で絵を描いている方が好きなタイプでした。
美術の道に進むことになったきっかけは?
まずは環境として武蔵野美術大学で学生生活を過ごしたことが一つです。
私の場合、油絵科から映像学科に転科し、漠然と作家になりたいと思いつつも卒業後は、アニメーションやデザインといった一般よりクリエイティブ職よりの仕事を日中に会社で行っていましたが、そこで表現できない作品を夜と週末に自主制作をするという生活を続けていました。
二度目のきっかけは30代に環境の変化もあり、先々のことを考えた時、フリーランスとして独立し、作家としてどうやっていけるのか、より現実的に考え行動するようになりました。
初めて作品を発表したのはいつ、どんなときですか?
この作家名での初めての発表は2011年のNANJOHOUSEでの個展の時です。
その時は現在の作風の絵画以外に立体と映像を使ったインスタレーションを展示しました。
撮影場所:NANJOHOSUE
制作する日はどのようなスケジュールで進めていますか?
特に時間は決めていません。日常生活の睡眠や家事以外の時は食事休憩を取りつつ、
取り掛かっています。息抜きはあまり上手いほうでないのかもしれません。
作品の制作手順や方法などを教えてください。
アイデアは常日頃から考えています。
綿布キャンバスを木枠に張り、幾度もジェッソを塗っては乾燥させた後、
やすりで表面を磨き下地が完成します。その間に下絵を手描きで紙に描き、
それをパソコン上で表情やモチーフの位置などの微調整や色の検討なども行い、
プリントアウトします。これを再度形や表情の微調整をしつつ、下地にアウトライン線を描き写します。
この下絵を元にアクリガッシュ絵具と筆で表面と側面まで描画していきます。たまにマスキングテープや仕上げのエアブラシを使う場合もあります。
最後に保護用のワニスを裏面の淵までしっかり塗り乾燥させ、最後に裏面に飾るための金具と紐を取り付けます。
現在、力を入れて取り組んでいること
浮世絵の空の表現などの紙への刷りならではの美しいグラデーション表現を、別の描き方でキャンバス上で表現できるように工夫しています。
将来の夢、みんなに言いたいこと
アートというと日常とは遠い、解説を読まないと理解できない難解なもの、かっこいいものというイメージもあると思いますが、観た人にとって新しい発想のきっかけになる刺激物なのだと思います。
私の作品は割と日常の延長から発想してまして、ふと、この使い古しの家電もよくみるとかっこいいな、手元のこの道具も実はこうだったら、、と気づいたり思い浮かべることで、作品を観た人の忙しい日々の仕事や家事もちょっと楽しくなればよいなと思います。
また、矛盾した日本らしさも私の作品のテーマですので、それらが海外ではどう受けとめていただけるのか知りたいですし、これからはより発表の場を世界にも広げたいです。
元々絵に時間の変化やストーリーを持たせた表現を目指していますので、いずれまたアニメーションも制作できたらよいな…と思っています。
画家・イラストレーター
縁起物や浮世絵等日本古来のモチーフと現代の生活用品をユーモアを込めて織り交ぜた絵画を2011年より発表。代表作は肉筆浮世絵風表現で家電製品を描いた、今昔の異質な日本的なものを組み合わせた「家電図」シリーズ。
ホームページ:http://popomeal.web.fc2.com
<略歴>
2007年 武蔵野美術大学造形学部映像学科アニメーション専攻卒業(‘05年油絵学科より転科)
2013年 GEISAI#18 入賞
2016年「もののけのから」白白庵
2017年 書籍「ハナモゲラ和歌の誘惑」笹公人 著(小学館刊) 装画・挿絵
「縁起物展」アートスペースMorgenrot
2018年 「ASYAAF&Hidden Artist Festival 」東大門デザインプラザ(韓国)
「天の岩戸開き」の芸能 国立文楽劇場 公演ポスター原画
2019年 個展「黒物家電図市」 NANJO HOUSE
illustration誌(玄光社刊) 第210回TheChoice 入選
「ART IT NOW 」阪急梅田本店
書籍「瞠目笑」林家彦いち著(パイインターナショナル刊) 装画・挿画
「KOGEI ART FAIR KANAZAWA 2019」
2020年 「喜色満開」 松坂屋名古屋店
illustration誌(玄光社刊) 第215回TheChoice 入選 (小田島等先生審査員回)