日本で開催される最大のアートフェア、「アートフェア東京」のプレビューに行ってきた。
今年感じた特徴をここに列記しておきたい。
1)ブースでの展示が中心であり、ギャラリーのレイアウトも例年ほぼ変わらないという安定感がある。
2)アートバーゼル香港など他のアジアの国際的アートフェアでは大規模なインスタレーションが複数展示されているが、こちらでは平面、立体作品が中心。映像品なども見当たらない。
3)ほとんどのギャラリーでは物故作家以外はプライマリーが中心であり、セカンダリー作品の販売が少なかった。
草間彌生や奈良美智もごく一部セカンダリーの取り扱いがあったが、村上隆は一点も見受けられなかった。
オークションなど他の手段で作品を購入できることを来場者が知り始め、売れなくなってきているからだろうか。
4)KYNEなどストリート系の作品が増え、価格も高騰しており、購入者層の若年化が伺える。
5)同時期、NYのアーモリーショーが開催されること、3週間後にアートバーゼル香港などが開催されることから、海外フェアに出展する日本ギャラリーはやはりそちらに注力しているためか、アートフェア東京には出ないか、または出展していても力が抜けている印象だった。
6)入場口の手前にある無料で観覧できるprojectというブースでは、若手ギャラリーが多く出展しており、個展の形式をとって見応えのある展示をしていた。
7)有料ブース内では例年通り近代絵画や骨董が強く、販売も好調な様子であり、日本のローカル色の強いアートマーケットの現状を反映していた。